ものもらいについて
ものもらいの特徴・症状
ものもらいの特徴
ものもらいというのは、細菌に感染すると発症する目の病気で、「麦粒腫」とも言われています。
ものもらいは、感染した箇所によって、外麦粒腫と内麦粒腫の2種類に分類されます。
外麦粒腫は、細菌がまつげの毛根やまぶたの外側の汗腺に感染するものです。
内麦粒腫は、細菌がまぶたの内側のまつ毛の生え際の油分が出るマイボーム腺に感染するものです。
ものもらいの要因としては、黄色ブドウ球菌などがあります。
このような黄色ブドウ球菌などは、人の粘膜や皮膚など、常在菌として普段の生活においてどこでもいるものです。
基本的に、ものもらいは健康であれば起きたりしませんが、ものもらいが次のようなことが要因になって現れる場合があります。
- 体の抵抗力が病気などで下がっている
- 免疫力が睡眠不足や疲労で下がっている
- 結膜炎や目の怪我などが起きている
- まぶたを汚れた手でこするなどしている
このような場合は、細菌がよく感染したり繫殖したりして、ものもらいが起きやすくなります。
ものもらいは年間を通じてなる可能性がありますが、次のようなことから、特に暑いシーズンの6月~8月に感染する場合が多くなります。
- 汗を目の周囲にもよくかくようになることによって、細菌が目に侵入しやすくなる
- 海やプール、川などに行くチャンスが多くなって、刺激を目が受けやすくなる
ものもらいは、「はやり目」という強い感染力があるものと間違われたり、体の抵抗力が低下した際などは数箇所も一度にできる場合もあったりするので、感染すると間違われるかもしれません。
しかし、ものもらいの要因になる細菌は、基本的に、常に人が持っている常在菌であるため、感染する場合はありません。
「ものをもらえば治る」という迷信が、「ものもらい」の語源であると言われています。
ものもらいは、東日本をメインに全国に拡大したとされており、これ以外にも、いろいろな方言が地方によってあります。
一方、目の病気としてものもらいとよく似た霰粒腫があります。
霰粒腫は、ものもらいとよく似たものですが、違った目の病気です。
しかし、区別がものもらいとつきにくい場合もあります。
霰粒腫は、まぶたの内側のまつ毛の生え際の油を分泌するマイボーム腺が詰まって、炎症が慢性的に起きるもので、肉芽腫という油の塊のようなものができるものです。
ものもらいと同じであるのは、マイボーム腺で起きるということです。
症状としては、異物感とまぶたの腫れで、ものもらいと違っているのはかゆみや痛みが少ないことです。
ものもらいの症状
主なものもらいの症状としては、まぶたの痛みや腫れがあります。
特に、痛みは指で押したりまばたきしたりした際に感じます。
初期の症状としては、一部のまぶたが腫れて赤くなる、かゆみ、痛みが現れます。
症状が進んだ場合は、強い腫れになる、全体のまぶたが腫れる、強い赤みになる、強い痛みになることが現れます。
症状がさらに進んだ場合は、膿が腫れたまぶたの裏から出る、膿が腫れた箇所の皮膚が破れて出ることが現れます。
膿が出ると治る場合が多くありますが、症状がまれに重くなったり、霰粒腫にしこりが残ってなったりする場合もあります。
ものもらいの診断と検査
ものもらいを診断する際は、赤くまぶたが腫れるため、容易に診断ができます。
症状が同じような病気としては、急性霰粒腫、眼瞼縁炎、皮脂腺梗塞などがあるため、このような病気と区別することが必要になります。
また、ものもらいが再発する場合は、糖尿病についても確認することも必要です。
ものもらいの治療法
市販されている薬などでも、ものもらいは治る場合もあります。
しかし、時間が治るまでにかかったり、症状が重くなったり、治ってもまた発症したりする場合は、別の病気が要因の場合などもあります。
治療を正しく行うと2週間くらいで治るので、眼科で診てもらいましょう。
眼科の治療としては、次のようなものがあります。
治療している際は、コンタクトを使わないようにしましょう。
軽い症状の場合は、抗菌眼軟膏、抗菌点眼薬を使います。
重い症状の場合は、抗菌点眼薬、抗菌内服薬、抗菌眼軟膏などを使います。
化膿が悪くなっている場合は、切開手術を行います。
麻酔をまぶたにかけて、小さくメスを入れて膿を出します。
ものもらいの予防
細菌を繫殖させない、細菌に感染しないことが、ものもらいを予防するためは大切です。
- きれいに目を維持する
きれいに目を維持するために、
- 目に汚れたタオルや手指などで触らない
- コンタクトは正しくきれいに使う
ことなどが大切です。
- 免疫力を低下させない
免疫力が低下していると、細菌がよく感染するようになります。
免疫力を低下させないためには、
- 健康な状態に体を維持する
- 十分に睡眠、休養をとる
- ストレスや疲れを溜めない
ことなどが大切です。
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。