フィリピン留学中の健康管理:必携の薬リストと注意点

公開日: 2023/12/05 更新日: 2024/06/24
海外留学では、気候や食事が日本とは違う環境になるため、体調を崩してしまうこともあります。海外留学を安心して楽しむために、海外の医療事情を知っておきましょう。 今回は、近年人気の留学先である「フィリピン」の医療事情について、詳しくご紹介します。フィリピン留学を控えている方は、準備の参考にしてください。
看護師に現在の症状を相談してみませんか?

ファストドクターでは無料の医療相談を行なっています。

アプリから往診の待ち時間を見れるだけではなく、チャットや電話での無料の医療相談が可能です。

もし、ご家族やご自身の体調でご不安な点がありましたら、ファストドクターを頼ってください。

フィリピンへ医薬品・サプリを持ち込む際の注意点

フィリピンへ医薬品やサプリメントを持ち込みたい場合、次にご紹介する注意点を守ってください。

 

滞在日数に見合う量を持ち込む

フィリピンは、持ち込む医薬品の量に上限の設定はされていませんが、滞在日数に見合う量の医薬品やサプリメントを持ち込むようにしましょう。たとえば、滞在日数が3か月なのに半年分の医薬品を持ち込もうとすると、販売目的を疑われる・没収される・課税されるなど問題が生じてしまうかもしれません。

滞在期間プラス1〜2週間程度の量を持って行くのがおすすめです。また、1週間分程度の医薬品を手荷物として持ち込みましょう。海外旅行では、航空会社に預けた荷物が紛失する(ロストバゲージ)ことも少なくありません。荷物が戻ってくるまでの間、凌げるだけの医薬品は手元に置いておくべきです。

 

医薬品の成分を英語で表記しておく

フィリピンでは、ほとんどの場合、医薬品の持ち込みにあたって特別な書類は必要ありませんが、処方箋医薬品は英語で成分名を表記しておくと安心です。「何の薬か」など尋ねられる場合があります。

主治医に「薬剤携行証明書」の記載をお願いするのもよいでしょう。「薬剤携行証明書」や診断書は、現地の医療機関にかかろうと思ったときにも役立ちます。

 

パッケージのまま持っていく

ピルケースなどへ移したりせず、箱のまま持ち込みましょう。正規の医薬品であることがわかりやすい状態にしておくと、トラブルを回避できます。

粉薬を服用されている方は、錠剤やカプセルに変更できないか医師や薬剤師に相談してみてください。粉薬は正規の医薬品かどうかの判断が難しく、また、白い粉末の場合は違法薬物を疑われることもあります。

フィリピンに持っていきたい常備薬

フィリピンは日本からの距離は近いですが、気候や食生活は大きく異なります。亜熱帯地域のため、常に気温と湿度が高いです。

体調不良に備えて、用意しておくと便利な常備薬をご紹介しますので、準備の参考にしてください。

 

解熱鎮痛剤

解熱鎮痛剤は、1種類は持っておくと安心できます。ちょっとした頭痛や喉の痛み、発熱になんでも使えるものがよいでしょう。日頃使っている慣れたものを持っていくのがおすすめです。

 

虫除けスプレー、かゆみ止め

フィリピンは温暖な気候の国なので、日本よりも虫が多いです。蚊やアリ、ダニに刺されたり噛まれたりしてかゆみや腫れが生じることがよくあります。

 

虫除けスプレーは現地でも購入できますが、肌が弱い方や使い心地にこだわる方は日本の製品を持って行った方がよいかもしれません。

かゆみ止めは、虫刺されにも使えますし、あせもやかぶれなど肌トラブルのときにも使えます。眠くなりにくい成分のかゆみ止め(抗ヒスタミン薬)を用意しておくことをおすすめします。飲み薬・塗り薬タイプ両方のかゆみ止めがあると便利です。

 

下痢止め、整腸剤

フィリピンは、日本よりも衛生状態がよくない場合があるため、屋台の食べ物や水で食あたりを起こすことも考えられます。また、香辛料のきいた食べ物も多いため、慣れない味付けでお腹を下してしまう方も少なくありません。念のため、下痢止めや整腸剤を持っておくと安心です。

 

ただし、生焼けの食べ物や現地の水による「食あたり」の場合は、下痢を止めない方がよいこともあります。下痢だけでなく発熱や嘔吐がある場合には、病院へ行くことも考えてくださいね。

フィリピンで気をつけたい感染症

フィリピンは、日本とは環境が大きく違うため、流行する感染症も異なります。ワクチンなどで予防できる場合には、渡航前に接種しておきましょう。滞在中に体調不良を起こした場合は、以下の感染症の可能性を考えてみてください。

 

食中毒

フィリピンで生じる体調不良として、最も多いのが食中毒です。日本とは衛生状態が異なりますので、生水を飲まない、氷の入った飲み物を飲まない、屋台などで火を通さない食品(カットフルーツなど)を購入しないといった注意点は守るようにしましょう。

食中毒による下痢の場合、一般的に、下痢止めは使わないほうがよいです。水分を少しずつとりながら、おさまるのを待ちましょう。

 

ジカ熱・デング熱

ジカ熱やデング熱は、蚊によって媒介されるウイルス感染症です。ワクチンはないため、蚊に刺されないように長袖を着用する・虫除けスプレーを使うなどの対策を取る必要があります。

いずれも、高熱や関節痛など風邪のような症状のほか、発疹ができるのが特徴です。症状が軽度であればご自宅で安静にして様子をみていてかまいません。熱が下がらない、呼吸が苦しい、出血する(吐血、下血、あざの出現など)といった症状があれば重症化している可能性があるため、医療機関を受診しましょう。

 

狂犬病

狂犬病は、治療方法がなく、発症してしまうとほぼ100%死亡する危険な感染症です。フィリピンでは、毎年多くの方が狂犬病で亡くなっています。犬や猫、コウモリ、ネズミなど、むやみに野生動物に触れないようにしてください。予防のためのワクチンは3回の接種が推奨されていますので、留学が決まったら余裕を持ってワクチン接種のスケジュールを立てましょう。

動物に噛まれたり引っ掻かれたりした場合は、念のため、すぐに医療機関へかかりましょう。発症を予防するための治療をおこなうことができます。どの動物も、狂犬病のウイルスを保持している可能性があると考えて行動してください。

 

ポリオ

ポリオは、日本ではワクチンの普及によってすでに根絶されていますが、フィリピンではワクチンの摂取率が低く、2019年、2020年にも患者が発生しています。感染者のほとんどが乳幼児ですが、大人でもかかる可能性はあり、注意が必要です。感染してから数日〜1か月後に、発熱、頭痛、のどの痛み、吐き気、嘔吐などのかぜに似た症状が現れ、手や足に麻痺が出たりします。

フィリピンへ4週間以上の長期滞在を予定している方は、渡航前にワクチンを追加接種することがWHO(世界保健機関)より推奨されています。

 

フィリピンで薬を手に入れるには?

先ほど挙げたような感染症の場合や、頭痛などの体調不良があったとき、どうすればよいでしょうか?対処法を2つご紹介します。

 

市販薬の買い方

フィリピンでは、大手チェーンのドラッグストアや路面店(ストリートベンダー)などで市販薬を取り扱っています。安全のためには、大手チェーンのドラッグストアで購入するのがよいでしょう。

 

<フィリピンで有名なドラッグストアチェーン>

  • The Generics Pharmacy(ジェネリシス薬局)
  • Mercury Drug(マーキュリードラッグ)
  • Generika Drugstore(ジェネリカドラッグストア)
  • South Star Drug(サウススタードラッグ)
  • Rose Pharmacy(ローズファマシー)
  • Seiryu(セイリュウ薬局※日系企業)
  • Watsons Philippines(ワトソン・フィリピン)

フィリピンに限った話ではありませんが、海外では品質の悪い薬が売られていたり、違法薬物が混じっていたりすることがあるため、路面店はあまりおすすめできません。人からもらう医薬品にも注意してください。偽物や違法薬物だったとしても見分けがつかないためです。

 

病院の受診方法

まずは、加入している保険会社へ電話してください。

マニラ首都圏やセブ島には、日本語医療通訳や、受診のサポートをしてくれる日本人スタッフが常駐している医療機関がいくつかあります。サポートは有償となる場合もありますが、日本語で受診したいときには活用するとよいでしょう。保険会社が、お近くの医療機関をピックアップしてくれます。

 

医療機関を受診する際は、診療費の前払いや支払能力の提示を求められることが多いです。現金・クレジットカード・海外旅行傷害保険証書などを忘れずに準備していきましょう。

 

留学生が加入する保険の種類によっては、「元々の持病の治療については対象外」となっていることがあります。そうなると、現地の医療機関を受診したときの費用が高額になりますので、あらかじめ保険の内容をしっかり確認しておきましょう。



まとめ

今回は、フィリピン留学をお考えの方に向けて、フィリピンの医療情報や医薬品の扱いについてご紹介しました。

フィリピンは、医薬品の持ち込みに関しては比較的制限が少ない国です。持病の治療や体調不良に備えた常備薬は、滞在日数に合わせて十分な量を持ち込みましょう。現地では、日本とは異なる感染症が流行しています。必要に応じてワクチンの接種などをご検討ください。



・海外留学 健康の手引き. 2021年4月第4版

http://health-uv.umin.ac.jp/kanren/img/ryugaku_kenko_4.pdf

・外務省. 世界の医療事情. フィリピン

https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/phili.html

・厚生労働省. 海外渡航先への医薬品の携帯による持ち込み・持ち出しの手続きについて

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index_00005.html

看護師に現在の症状を相談してみませんか?

ファストドクターでは無料の医療相談を行なっています。

アプリから往診の待ち時間を見れるだけではなく、チャットや電話での無料の医療相談が可能です。

もし、ご家族やご自身の体調でご不安な点がありましたら、ファストドクターを頼ってください。

FastDoctor
ドクターの往診・オンライン診療アプリ
往診もオンライン診療も
アプリから便利に相談
App Storeからダウンロード
Google Playで手に入れよう
TOP医療コラムフィリピン留学中の健康管理:必携の薬リストと注意点