オンライン診療で対応可能です
結節性痒疹の症状は?
結節性痒疹は、強い痒み(かゆみ)を伴う孤立性のしこりが多く形成される状態のことです。
慢性的な強い痒みが生じ、皮膚のかゆい部分を傷や血がでるまで何回も引っ掻いてしまうと、皮膚の炎症が強くなりますます痒みが増します。
「痒み→掻く→炎症悪化→痒み」というループを繰り返すことが原因で、かゆみがどんどん強くなり長引いてしまうのです。
痒みは針で刺されたようなピリピリするような感覚を伴い、日常生活にも支障をきたすことがあります。
結節性痒疹の特徴は?
結節性痒疹は主に下肢に好発するといわれていますが、上肢や体幹、顔面にできることもあります。 また、小さい子どもから高齢者まで幅広い年代にできるのが特徴です。
結節性痒疹については、3つのポイントがあります。
-
治りにくい
-
指定難病されているのか?
-
人にうつるのか?
こちらについて解説していきます。
治りにくい
結節性痒疹は治りにくいといわれている疾患です。
痒みが生じたブツブツやしこり部分を掻いてしまうと、発疹が刺激されしこりが硬くなります。 しこりが硬くなると治療が難しく、治りにくくなってしまうかもしれません。
難病指定されているのか?
結節性痒疹は指定難病にはなっていません。 しかし、痒みを放置していたり、我慢できず掻いてしまったりすると治すことが難しくなることがあります。
痒みの症状を持つ指定難病も存在しているので、症状があらわれてしまったら早めに病院を受診し、診断してもらうのが良いでしょう。
人にうつるのか?
結節性痒疹が人にうつることはありません。 だが、痒みに我慢できず掻きむしってしまうと皮膚がはがれ、「とびひ」ができてしまうことがあります。
とびひは掻きむしった皮膚に細菌が感染することで起きる病気です。とびひになった場合は、人にうつるので注意が必要です。
結節性痒疹の原因は?
結節性痒疹ができるはっきりとした原因はわかっていません。
悪化原因として下記が関係しているといわれています。
-
虫刺され
-
アトピー性皮膚炎などのアレルギー
-
癌や肝臓・腎臓の障害
それぞれについて解説していきます。
ダニなどの虫刺されによるアレルギー反応
虫刺されによるアレルギー反応が原因のひとつとして考えられています。
理由は、ダニやブヨ、蚊などの虫に刺された後に結節性痒疹になることが多いからです。
虫にさされた部分から強い痒みが生じ、掻きむしるうちに発疹がどんどん膨れ、硬いしこりになります。
必ずしも結節性痒疹になるわけではありませんが、夏場など虫に刺されないよう、虫除けスプレーなどの対策をしておいたほうがいいでしょう。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎がきっかけで結節性痒疹になることもあります。 アトピー性皮膚炎はかゆみを伴う湿疹が全身にでき、よくなったり悪くなったりを繰り返す皮膚疾患です。
結節性痒疹と異なるのは湿疹が左右対称にできる点です。 アトピー性皮膚炎が原因で結節性痒疹になる可能性があるので、放置せず皮膚科を受診ししっかり治療しましょう。
癌や肝臓・腎臓の障害
結節性痒疹は全身疾患に伴って起きることがあります。
高齢者の重症例では、慢性腎不全や糖尿病、内臓疾患(腎臓・肝臓系の障害)、悪性腫瘍(癌)などの病気と関連しているかもしれません。
結節性痒疹の背景に別の病気が隠れていることもあるので、診断時に血液検査を行う場合があります。
結節性痒疹の治療法は?
結節性痒疹を治療するには、病院では外用薬や内服薬、紫外線療法、冷凍凝固療法などの治療が行われます。 病院での治療法と市販薬での治療法をそれぞれ解説します。
病院での治療方法
病院での治療は何種類か存在します。
代表的な治療法について説明していきます。
-
ステロイド外用薬
-
抗ヒスタミン薬
-
液体窒素による冷凍凝固療法
-
紫外線療法
-
密封療法
-
手術適用にはならない
それぞれ説明しますので、参考にしてみてください。
・ステロイド外用薬
病院で処方される薬で一般的なものは、ステロイド外用薬です。 ステロイドには炎症やアレルギー反応を抑える効果があります。
ステロイド外用薬は5つのランクに分類されています。
Ⅰ群:最も強い(Strongest)
Ⅱ群:非常に強い(Very strong)
Ⅲ群:強い(Strong)
Ⅳ群:普通(Medium)
Ⅴ群:弱い(Weak)
病院ではⅠ・Ⅱ群の処方ができますが、市販薬ではⅢ群以下を取り扱っています。
ステロイド外用薬から十分な効果を得るために、正しい分量をかゆい部分に塗りましょう。「1FTU(ワンフィンガーチップユニット)」が正しい分量の目安です。
大人の人差し指の先端から第1関節までの量を、大人の手のひら2枚分の範囲に塗るのが適切だといわれています。
また、体の部位によって吸収率が異なるので、症状がでている部位によって適切なステロイド外用薬を選択します。
医師や薬剤師から正しい使用方法を聞き、継続していくことが大切です。
外用薬以外にもステロイド内服をすることがありますが、副作用があるため長期間の服用は推奨されていません。
ステロイド外用薬が合わなかったり効果を感じられなかったりした場合は、ほかの治療法について医師に相談しましょう。
・抗ヒスタミン薬
内服薬として抗ヒスタミン薬が処方されることがあります。 ヒスタミンは皮膚にある肥満細胞から分泌される化学物質です。
ヒスタミンが分泌されることで、神経が刺激されかゆみとして脳に伝えられます。
かゆいから掻いてしまうと、刺激になってさらにヒスタミンが分泌され、かゆみがどんどんひろがっていくのです。
抗ヒスタミン薬を服用することで、かゆみを引き起こすヒスタミンの作用を抑えられ、かゆみの緩和につながるでしょう。
・液体窒素による冷凍凝固療法
冷凍凝固療法は、液体窒素によって痒みの強い結節を冷凍凝固させて消退させる方法です。 液体窒素で凍らす・溶かすを繰り返す治療です。
痒みが強くなかなか治癒しない場合には、冷凍凝固療法を選択肢に挙げます。
・紫外線療法
外用薬で効果が感じられなかった場合、紫外線療法の併用が有効だといわれています。
紫外線と聞くと「肌によくないんじゃないか」とマイナスなイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。
紫外線には波長があり、害のある波長もあれば安全な波長もあります。安全で治療効果のある波長をあてるのが紫外線療法です。
紫外線には免疫の働きを弱める作用(免疫抑制作用)があります。紫外線療法は免疫抑制作用を利用して、症状緩和をめざす治療法です。
紫外線は1回の治療時間が短く痛みがほとんどないこと、副作用が少ないことが特徴です。
副作用が少ないとはいえ、全くないというわけではないので、リスクを理解したうえで治療を受けるか判断しましょう。
・密封療法
結節性痒疹の治療のひとつに、密封療法があります。
密封療法は外用薬を塗ったところにポリエチレンフィルム(ラップ)を巻く治療法です。ラップなどで密封することにより、薬の吸収が促進され効果が高まります。
ステロイド外用薬を塗る場合は、感染したり皮膚が薄くなったりする可能性があるので短期間の使用に留めます。
・手術適用にはならない
結節性痒疹の治療で手術をすることはありません。 硬くなってしまったしこりを取り除きたい場合は、手術が必要になることがあります。
市販薬での治療方法
市販薬での治療法について、ポイントや疑問点などを説明していきます。
-
ステロイド外用薬
-
イボコロリには効果はない
-
キズパワーパットを貼るとよい?
-
食事に気をつける
-
自然治癒することもある
自分でも対処できることがありますので、参考にしてみてください。
・ステロイド外用薬
前述したとおり、ステロイド外用薬は5つのランクに分かれています。病院ではⅠ・Ⅱ群の処方ができますが、市販薬ではⅢ群以下のみ取り扱いです。
病院で処方されるステロイド外用薬のひとつに「アンテベート軟膏」というものがあります。
アンテベート軟膏はⅡ群のもので、市販薬で同じものは取り扱っていません。
アンテベート軟膏に似た効果がある市販薬を使用したい場合は、症状や副作用など注意すべきことがあるので医師に相談しましょう。
他にもドラッグストアなどには、疾患別や部位別に分かれていろいろな種類のステロイド外用薬が販売されています。
ステロイド外用薬は強いものを選べばいいわけではありません。効果を得るためには、自分の症状や部位に適したものを選ぶことが大切です。
自分で選ぶのが難しい場合は、薬剤師や登録販売者に相談してみましょう。
・イボコロリには効果はない
結節性痒疹とイボは異なるため、イボコロリが結節性痒疹の治療に効果がある可能性は低いと考えられます。 強い痒みと硬いしこりができた場合は、皮膚科を受診しましょう。
・キズパワーパットを貼るとよい?
「キズパワーパットを貼ることで密封療法と同じ状態になるだろう」「痒い部分に貼っておけば掻かずにすむだろう」と考える人がいるかもしれません。
ステロイド外用薬での密封療法は、ステロイドの副作用が出やすいので自分でやるのには注意が必要です。
また、キズパワーパットを貼っている部分がかぶれてしまったり、寝ている間に掻いてしまったりと悪化する原因になりかねません。
適切な治療方法を守れば効果を得られるので、医師から指導された方法を守ることをおすすめします。
食事に気をつける
結節性痒疹の原因のひとつに内臓疾患があります。偏った食事や暴飲暴食を続けていると、糖尿病や腎臓・肝臓の障害につながります。
結節性痒疹の原因となるものを作らないためにも、栄養バランスのとれた食事をとることは大切です。
バランスのとれた食事をすることで、結節性痒疹だけでなく病気になるリスクを減らせ、健康の維持につながります。
自然治癒することもある
結節性痒疹は、痒み→掻く→炎症悪化→痒みという悪循環によって悪化していきます。 痒みがあっても全く掻かず、悪循環に陥らなかったら自然に治る可能性があります。
Q&A
結節性痒疹の治し方は?
結節性痒疹の治し方には、病院での治療方法と市販薬での治療方法がありますが、病院で治療することがほとんどです。
ステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬の服用、密封療法、冷凍凝固療法、紫外線療法などがあります。医師の診断のもと適切な治療を継続しましょう。
市販薬で治療する場合は、症状にあった薬を選択する必要があります。
いろいろな種類の薬が売っていてどれを買えばいいかわからないときは、薬剤師や登録販売者に相談するのがいいでしょう。
結節性痒疹の原因は?
原因ははっきりとわかっていませんが、虫刺されやアトピー性皮膚炎、癌、肝臓や腎臓の障害などが関係しているといわれています。
結節性紅斑 どれくらいで治る?
結節性紅斑は、皮下脂肪に炎症が起こり皮膚に赤色または紫色のふくらみ(結節)ができる皮膚疾患です。
治療法は下肢挙上や冷湿布、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)などが挙げられます。通常であれば 2~6週間程度で回復します。
しかし、基礎疾患があると治るまで時間がかかり、基礎疾患の治療が必要となるため、医師とともに治療に専念しましょう。
まとめ
結節性痒疹の症状や特徴、治療法について解説しました。
強い痒みが長期間続くのは、日常生活にも支障をきたしますし非常にストレスを感じると思います。
「強い痒みがあって掻くのを我慢できない」「皮膚にブツブツやしこりがある」など結節性痒疹に当てはまる症状があったら、皮膚科を受診しましょう。
症状がつらくなったときに病院が休みだったらどこを頼ればよいのか困ってしまいますよね。
夜間や休日でもすぐに医師に相談ができるように、ファストドクターのアプリをダウンロードしておきませんか?
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。