【コロナで陰性判定】陰性判定後の過ごし方やPCR検査や抗原検査の正確性は?

公開日: 2024/01/20 更新日: 2024/06/24
新型コロナウイルス感染症の検査を受けて陰性判定が出たとき、安心する半面、本当に陰性なのか心配になることもあるのではないでしょうか。 また、陰性判定を受けた後はどのように過ごせばよいのか迷う人もいるでしょう。 今回は、陰性判定後の過ごし方や、各種検査の正確性について詳しく紹介します。
コロナ陰性だったけど、症状が治まらないときはどうしたらいい?

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陰性判定 ケース別の過ごし方

新型コロナウイルス感染症の検査を受ける理由はさまざまで、陰性判定を受けた後の過ごし方は場合によって異なります。

ここからは、検査を受けた理由別に適切な過ごし方を紹介します。

ケース1 濃厚接触者として検査を受けた

新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者として検査を受けた場合、検査結果が陰性であっても、感染者と接触した日から数えて5日間の健康観察と外出自粛が必要です。

念のために、7日間が経過するまでは検温などで自身の健康状態の確認を続けてください。

また、マスクを着用する、混雑する場所に行かない、会食を避けるといった感染対策を行うことも重要です。

社会機能維持者は、待機期間を短縮できる場合も

例外として、一定の要件を満たせば毎日の検査による陰性確認によって業務従事が可能となります。

特定の施設とは、医療施設や介護老人福祉施設、障害者支援施設、保育所、学校などのことです。

待機期間中の業務従事が認められるには、無症状である、他の従事者による代替が困難である、3回目のワクチン接種を受けているといった条件を満たす必要があります。

また、無症状の濃厚接触者であれば、下表のように待機期間を短縮できます。

社会機能維持者でなくても、検査結果が2回とも陰性であれば短縮可能です。

検査方法抗原(定性)検査
検査日2日目および3日目の2回(3日目から解除可能)
費用負担事業者(自費検査)

※検査キットは必ず薬事承認を受けたものを使用する

※PCR検査の場合は3日目の1回(3日目から解除可能)

ちなみに、社会機能維持者の細かい定義は自治体によって異なりますが、基本的には以下の事業に従事する人が該当します。

医療体制の維持病院、薬局、医薬品や医療機器の輸入・製造・販売、入院者への食事提供、献血を実施する採血業、その他患者の治療に必要なあらゆる物資・サービスに関わる製造業およびサービス業
支援が必要な人々の継続的な保護介護老人福祉施設、障害者支援施設、その他高齢者や障害者が生活するうえで必要な物資・サービスに関わるすべての製造業およびサービス業
国民の安定した生活の確保インフラ運営(電力・ガス・通信など)、生活必需物資供給(家庭用品の輸入・製造など)、飲食料品供給(農業・飲食料品の製造など)、宅配・テイクアウト、生活必需物資の小売(コンビ二・ドラッグストアなど)、生活必需サービス(ホテル・銭湯・理美容など)、ごみ処理(廃棄物収集・運搬など)、家庭用品のメンテナンス(配管工事・電気工事など)、冠婚葬祭業(火葬の実施・遺体の死後処置など)、メディア(テレビ・ラジオ・新聞など)、 個人向けサービス(ネット環境維持・自家用車の整備など)
社会の安定の維持金融サービス(銀行・保険・クレジットカードなど)、物流・運送サービス(鉄道・郵便・空港管理など)、国防に必要な製造業およびサービス業(航空機・潜水艦など)、安全安心に必要な社会基盤(公物管理・廃棄物処理など)、育児サービス(託児所など)、行政サービス(警察・消防など)、治安や企業活動の維持に必要なサービス(セキュリティ・ビルメンテナンスなど)
その他医療・製造業のうち生産停止が困難なものの製造、社会基盤の維持・医療や支援が必要な人の保護に不可欠なものの製造、医療・国民生活・国民経済の維持業務の支援
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ケース2 体調不良で検査を受けた

熱や咳などの症状がある人は、症状が軽くなるまで外へ出ないようにし、人と会うのを避けてください。

症状が悪化した場合は、かかりつけ医に連絡して指示を仰ぎましょう。

ケース3 無症状だが、旅行・帰省等の前に検査を受けた

これまで通りの過ごし方で問題ありません。マスクの着用や手洗い、手指消毒などに努め、感染予防に引き続き配慮しながら生活しましょう。

新型コロナウイルス検査は、どのくらい正確?

新型コロナウイルスの検査には、ウイルスの遺伝子を増幅させて測定する「PCR検査」と、ウイルスの構成部分であるタンパク質などの抗原を検出する「抗原検査」があります。

ここでは、2種類の検査方法の正確性について解説します。

PCR検査の正確性について

2種類の新型コロナウイルスの検査のうち、まずはウイルスの遺伝子を増幅・測定するPCR検査の正確性について紹介します。

PCR検査は、医師が診断上必要と認める場合に、新型コロナウイルス感染症の患者を把握する目的で実施されます。

PCR検査で使用される検体は、鼻咽頭ぬぐい液と唾液の2種類です。

陽性か陰性かを判断する際の両者の有用性について、発症から9日以内であれば良好な一致率が認められるとの研究結果が示されています。

この結果をもとに、政府は2020年から「症状発症から9日以内であれば唾液によるPCR検査も可能」と定めています。

新型コロナウイルス感染症では実際に感染しているかどうかの把握が難しく、PCR検査の正確性についてはまだはっきりとわからないのが実情です。

いくつかの研究では、PCR検査の正確性に疑問を呈する結果が報告されています。

中国の温州医科大学附属病院のファン氏らは、新型コロナウイルスに感染しやすい状況に置かれていた、症状のある患者51人に対してPCR検査を実施しました。

その結果、発症から平均3日のタイミングで行われた検査では36人、すなわち全体の71%が陽性でしたが、引き続きPCR検査を行うと全員に陽性判定が下りました。

中国の武漢市にある華中科技大学の医学院附属病院のアイ氏らは、新型コロナウイルス感染が疑われており、PCR検査と胸部CT検査の両方を受けた1014人の患者のデータについて分析を行いました。

その結果、最初のPCR検査で陽性だったのは全体の59%でしが、その後もPCR検査を繰り返したところ、最初の検査で陰性だった15人に陽性判定が出るまで、平均5.1日を要したと報告されています。

これらの研究からわかるように、新型コロナウイルスに感染している場合でも、感染からの日数が浅ければ、PCR検査を行っても陽性判定が得られない可能性があります。

PCR検査では、検査のために採取した検体にウイルスがいなければ、精度がどれほど高くても陽性判定にはなりません。

PCR検査における測定限界値より少ない量のウイルスしか検体に含まれていない場合も同様です。

検体にある程度の量のウイルスさえ含まれていれば、PCR検査でほぼ正確な診断が可能です。

しかし、検体の取り方や場所、感染からの経過日数などによって、その正確性は変動します。

PCR検査で陰性判定が出た後も、体調不良が見られる場合は再度医療機関を受診することが大切です。

唾液と鼻咽頭ぬぐい液の検査の違いは?

鼻咽頭ぬぐい液を採取するには、インフルエンザの検査と同じように、鼻の奥まで綿棒を挿入しなくてはなりません。

この方法は、検査に痛みが伴うだけでなく、検体採取時のくしゃみなどでウイルスが飛散するリスクもあります。

唾液検体を使用することで、採取時の痛みはなくなり、ウイルス飛沫の拡散も抑えることが可能です。

厚生労働省は、検体に発症から10日以上経っている場合は、唾液中のウイルス量が十分でない可能性が指摘されています。

発症後10日目以降にできる検査はあるの?

無症状者などのウイルス量が少ない患者についても、唾液での検査は適さないとされているので注意が必要です。

検査の正確性を高めたいのであれば、鼻咽頭ぬぐい液を検体とするのが無難です。

抗原検査の正確性について

抗原検査には、分析機器でウイルスの量を測定する「抗原定量検査」と、簡易的なキットを用いて行う「抗原定性検査」の2種類があります。

広く販売されている抗原定性検査キットは薬局などでも入手可能です。

使用する際は、説明書の指示に従って採取した検体を専用の試薬に混ぜ、検査キットに滴下して結果が出るのを待ちます。

2020年5月に抗原定性検査キットが承認された当初は、キットによる検査で陽性判定が出た場合は確定診断となる一方で、陰性判定が出た場合はあらためてPCR検査を受けなければ確定とはなりませんでした。

しかし、発症2~9日以内の有症状者については、キットによる検査とPCR検査の結果の一致率が高いことが調査研究によって確認されました。

そのため、発症2~9日以内の患者であれば、鼻咽頭ぬぐい液によるキット検査の結果が陰性でも確定診断とみなせるようになりました。

抗原定性検査キットで判定を行った場合は、陰性だったとしても体調チェックを続けるのが賢明です。

また、検査キットの説明書に記載されているよりも長時間経過してからチェックすると、誤って線が出ることがあります。

その線を見て陽性なのだと思い込んでしまうケースもあるため、市販のキットで検査するときは経過時間に気を付けましょう。

新型コロナウイルスの検査方法としてはあまり普及していません。

抗体検査との違いは?

新型コロナウイルスが流行し始めた頃に、「抗体検査」という言葉を耳にした人も多いのではないでしょうか。

抗体検査とは、現在ではなく過去に感染していたかどうかを調べるための検査です。

抗原検査とは似て非なるものなので気をつけましょう。

抗体とは、ウイルス退治のために身体が産生する兵器のようなものです。

感染したばかりの頃に作られる抗体はウイルスとの戦いですべて消費されます。

感染から2週間ほど経ち、ウイルスの量に対して抗体の量が多くなってから、ようやく血中における抗体の量を測定できるようになるのです。

抗原定性検査キットは 「体外診断用医薬品」を選んで

市販されている抗原定性検査キットには、国の承認を受けているものとそうでないものがあります。

消費者が入手できて「体外診断用医薬品」に分類される一部の抗原定性検査キットだけなので注意が必要です。

国民生活センターは、新型コロナウイルス感染症の検査キットに関する以下のような消費者トラブルを報告しています。

  • 市販の抗原定性検査キットで検査すると陰性判定が出たものの、あらためて検査したら陽性だった
  • 陽性か陰性かを調べたくてPCR検査キットを購入したが、リスクの高低しか確認できなかった
  • 検査キットでサークル部員の感染状況を調べたが、一部の部員の検査結果が返ってこなかった
  • インターネットで購入した抗原定性検査キットが届かず、販売元にも連絡がつかなかった
  • コンビニで買ったPCR検査キットの検体の送付先がわからなかった
  • 抗体検査キットを購入したが、血液を自分でうまく採取できなかった

こうしたトラブルを未然に防ぐためにも、検査キットは国の承認を受けた「体外診断用医薬品」かどうかを確認したうえで購入してください。

承認を受けていない抗原定性検査キットは「研究用」として販売されており、公的機関によって性能などが確認されていません。

そもそも「研究用」の検査キットは新型コロナウイルス感染の有無を調べることを目的としていないので注意しましょう。

未承認の検査キットの中には、あたかも国の承認を受けたような表示をしているものがあり、景品表示法に基づいて事業者に行政指導がなされたケースもあります。

抗原定性検査キットは変異種もチェックできるの?

抗原定性検査キットは、新型コロナウイルスが持つNタンパク質を感知する形で機能します。

新型コロナウイルスのNタンパク質は変異しにくいといわれており、現在流行しているオミクロン株もSタンパク質が変異したウイルスです。

Nタンパク質は変異せずに保持されているため、以前に作られたキットでもオミクロン株に対応できます。

結論として、抗原定性検査キットでオミクロン株の検査も行えていると考えてよいでしょう。

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本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

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