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ライム病について
ライム病の特徴・症状
ライム病の特徴
ライム病というのは、ボレリアという一種のスピロヘータであるものの感染によって起きる細菌感染症で、いろいろな全身性の症状が現れます。
病原体を持っているマダニに刺されると、ライム病に感染します。
人同士で感染したり、直接動物から感染したりすることはありません。
マダニとして病原体を媒介するものは、シュルツェマダニという日本国内の本州中部から北にいるもの以外に、スカプラリスマダニがアメリカではいたり、リシヌスマダニがヨーロッパではいたりするなどが分かっています。
ライム病の病原体としては、世界においては5種類ありますが、日本においてはボレリア・ガリニになっています。
ライム病の症状
ライム病は、特に、アメリカやヨーロッパにおいては全身性の慢性疾患として有名になっています。
このようなところに行って感染した場合は、症状が進むにつれて、皮膚症状の萎縮性肢端皮膚炎や遊走性紅斑など、神経症状の神経根炎や髄膜炎など、関節炎などが現れることがあります。
感染初期の症状としては、マダニが刺したところを中心にして遊走性紅斑という遠心性の紅斑が数日~数週間経ってから現れる場合が一般的にあります。
このような症状とともに、かぜのような筋肉痛、頭痛、関節痛、悪寒などの症状が現れる場合もあります。
播種期は病原体が全身に運ばれる時期で、遊走性紅斑の他に、心疾患、神経症状、眼症状などが現れる場合があります。
晩期は感染してから数ヶ月〜数年経ってからの時期で、播種期の症状の他に、慢性萎縮性肢端皮膚炎、重い慢性関節炎などが現れるようになります。
国内で感染したケースの症状としては、遊走性紅斑、神経根炎、顔面神経麻痺などがありますが、一般的に症状としては重くならないようです。
ライム病の診断と検査
ライム病の検査をする方法としては血液検査がありますが、このような血液検査はほとんどの場合必要ではありません。
血液検査の代わりに、抗菌薬を使った治療を始める方が対応としては適切でしょう。
ライム病の場合に、疲れがあったり、痛みがあったりするというようなことから、血液検査を行う場合もあります。
しかし、このような症状は、別の病気の関節炎、インフルエンザ、うつ病などというようなものでも現れる場合があるほど普通のものです。
そのため、このような症状が現れたのみでは、ライム病が要因になっているとは必ずしも言えません。
ライム病の場合に血液検査をすると、陽性という結果が病気ではないのに出る偽陽性になる場合があり、ライム病になっていないにも関わらず、ライム病と診断されることがあります。
このような偽陽性の結果は、最大の場合約25%の確率で起きます。
偽陽性の結果になれば、基本的に、必要ない抗菌薬による治療をするようになり得ます。
基本的に、このような抗菌薬は安全なものですが、副作用として嘔吐や吐き気、日光過敏、下痢というようなものが起きる場合があります。
また、アレルギー反応の命に関わるようなものが起きる場合もまれにあります。
抗菌薬を過剰に投与することは、耐性が薬剤に対してある微生物が多くなってきます。
薬剤に対して体の中にいる微生物が耐性を持つようになると、治療を将来行う場合により難しくなります。
さらに、偽陽性の結果になれば、必要ない尿検査、血液検査、レントゲン検査なども行うようになるでしょう。
また、治療が本当の痛みの要因に対して行われない場合もあり得ます。
例えば、関節痛は関節リウマチの場合でも現れますが、的確な治療を早い段階で受けられないと、重くて不可逆的な関節障害が残るかもしれません。
ライム病の治療法
ライム病の病原体は一種の細菌であるため、ライム病を治療する方法としては抗生剤を使うものが有効です。
神経症状があるかどうかによって、使う抗生剤は違ってきます。
マダニに刺された後に神経症状の髄膜炎が現れた場合はセフトリアキソン、遊走性紅斑が現れた場合はドキシサイクリンが、それぞれまず抗生剤として使われます。
2週間〜4週間くらいが、抗生剤を服用する期間です。
ドキシサイクリンは、マダニに刺されたことによってエーリキア症に感染している疑いがある場合にも有効とされています。
ライム病の予防
ライム病を予防するために最も大切なのは、マダニに野山で刺されないことです。
主として春から初夏、秋のマダニが活動する時期に野山に行く際に注意することは、
- 薮などにむやみに入らない
- 衣服にマダニが付いていることが分かるように服装は白っぽいものにする
- 体にマダニを近づけないように、虫よけをして、靴下の中に衣服のすそは入れる
ことが挙げられます。
また、もしマダニに刺された場合は、マダニを自分で引き剥がさないで外科的切除を皮膚科で受けましょう。無理にマダニを体から引き剝がすと、感染するリスクが高くなるためです。
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本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。