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熱中症で夜や翌日に症状が出るの?
熱中症は日中の暑さによって体温調節機能が乱れ、水分や塩分のバランスが崩れることで引き起こされます。
暑い環境で過ごした直後だけでなく、その日の夜や翌日になってから症状が出ることも珍しくありません。
体は熱にさらされた直後には一時的に回復したように見えても、内部ではじわじわと疲労や脱水が進行しているケースもあります。
とくに無理をして活動を続けた人や、こまめな水分補給ができなかった人は、夜になってから症状があらわれやすいです。
日中に体を酷使したあと「なんとなく体がだるい」「頭が重い」と感じたら、熱中症の可能性を疑いましょう。
翌日になって症状が出たとしても、それはすでに熱中症による体のダメージがあらわれたサインと捉えられるため、早めの対処が大切です。
熱中症が夜や翌日にあらわれる原因
熱中症の症状が夜や翌日に出るのは、体内の水分や塩分など、電解質のバランスがゆっくり崩れていくためです。炎天下での活動中は、人によっては不調に気づきにくいことがあります。
しかしその後、体温調節がうまくいかなかった疲労が蓄積し、時間が経ってからだるさや頭痛、吐き気などの症状となってあらわれます。
とくに高温多湿な環境で無理をした場合は、夜に体温が下がりづらいです。睡眠の質も低下し、翌朝に強い不調を感じることがあります。
日中に水分や塩分を十分にとっていなかったことも、夜間や翌日の症状悪化に拍車をかけます。
見た目は元気でも、体内では熱の影響が残っていることを意識し、違和感があればすぐに休むことが重要です。
熱中症の症状があらわれるのは何時間後?
熱中症の症状があらわれるタイミングには個人差があり、数時間後から翌日まで幅があります。多くの場合、症状があらわれるのは強い暑さにさらされた直後~1~2時間以内です。
日中は軽い脱水や熱疲労にとどまっていたものが、時間の経過とともに体力の低下や自律神経の乱れによって悪化し、数時間後あるいは翌日に症状が出るケースもあります。
とくに夕方以降に強い疲れや食欲不振、夜になってからの発熱や頭痛といったサインは、遅れてあらわれる熱中症の典型的な例です。
熱中症は時間差で症状が出ることもあるという前提で、暑さの中で活動したあとはすぐに対処することが大切です。
夜や翌日に不調が出た場合も「今さら」と放置せず、早めの対応が重症化を防ぐポイントです。
夜や翌日にあらわれやすい熱中症の症状とは?
翌日に遅れてあらわれる熱中症の症状で多く見られるのは、「頭痛」「吐き気」「体のだるさ(倦怠感)」「微熱〜高熱」です。
熱中症は、必ずしも暑い場所にいたその場で症状が出るとは限りません。軽い脱水や体温調節の乱れが時間差で影響し、夜や翌日になってから不調としてあらわれるケースも多いのです。
- 暑さによる疲労や体内の水分
- 塩分のバランスの崩れ
- 自律神経の乱れ
上記3つが重なると症状があらわれやすくなります。日中の暑さのなかで無理をしたり、水分補給が不十分だったりした人は、翌朝になって強い倦怠感や頭痛に気づくことがよくあります。
とくに熱中症の初期症状は、風邪や寝不足にも似ていて見落としやすいです。「体調がなんだかおかしいな」と思った時点で無理をせず、体を休めようにしましょう。
翌日に出た症状も、熱中症のサインかもしれないと意識しておくことが重症化を防ぐ第一歩です。
頭痛・吐き気・だるさ
頭痛・吐き気・だるさは、脱水や電解質バランスの乱れによって脳や内臓がうまく機能しなくなることで生じる症状です。
前日までは元気に過ごしていたのに、朝起きたときに「頭が重い」「胃がムカムカする」「体がだるくて動けない」と感じたら、前日に受けた暑さのダメージが蓄積している可能性があります。
とくに睡眠中は水分補給ができないため、症状が翌朝に強まることも珍しくありません。
「ただの疲れ」と軽く見ずに、熱中症の影響かもしれないと疑うようにしましょう。
発熱
熱中症による発熱は、体内にこもった熱がうまく放出できず、炎症反応として体温が上昇します。
とくに重度の脱水や日射による過度な疲労があった場合、発熱は38度以上になることもあり、風邪や感染症と見分けがつきにくいです。
就寝中に発熱に気づかず、翌朝になってから「なんとなく熱っぽい」「関節が痛い」と感じて初めて体調異変に気づくケースも少なくありません。
高熱が続く、意識がもうろうとする、けいれんがあるといった場合にはすぐに医療機関を受診しましょう。
夜や翌日に熱中症があらわれたときに備えて重症度を理解しておこう
熱中症の重症度は軽い順に1~3度の3段階に分かれます。
重症度別の症状と対処方法をきちんと理解しておきましょう。[1]
症状 |
対処法 | |
1度(軽症) |
|
現場での応急処置で対応可能 |
2度(中等症) |
|
病院への搬送を必要とする |
3度(重症) |
|
入院して集中治療の必要性がある |
たとえば頭痛や吐き気、強いだるさといった「中等度」の症状は、夜や翌日にあらわれることもあるため注意が必要です。
一方で「重度」の症状が出ている場合は、迷わず救急車を呼んでください。
「ただの疲れかも」と自己判断せず、重症度を目安に早めの対応を心がけることが、命を守ることにもつながります。
熱中症の症状が夜や翌日にあらわれた場合の対処法と医療機関受診の目安
熱中症の症状が夜や翌日にあらわれたときは、すぐに適切な対処をおこなうことが重要です。基本的な熱中症対処方法と同じように行動しましょう。
-
涼しい場所に移動もしくは室温を調整する
-
冷却シートや氷まくらなどで多くの血液が通る部分を冷やす
-
水分と塩分補給をおこなう
遅れて出てくる症状は、すでに体に負担がかかっていたサインであるため、放置すると重症化する可能性があります。
症状が軽くても翌日に熱が出たり、子どもがぐったりしていたりする場合は、医療機関を受診してください。
熱中症は、早期対応が何よりの予防策です。「様子を見よう」と思わず、少しでも異変を感じたら早めに行動しましょう。
- 夜になってから吐き気があらわれた場合
- 翌日にだるさがある場合
- 翌日になって38度の発熱がある場合
- 翌日になってから子どもに熱中症症状があらわれた場合
上記についてきちんと理解できていれば、医療機関を受診する目安や救急車を要請する目安も理解できるはずです。
夜になってから吐き気があらわれた場合
夜になってから突然吐き気が出た場合は、まず安静にして涼しい環境を確保し、水分と塩分をゆっくり補給するようにしましょう。
日中の熱中症の影響が遅れてあらわれている可能性があります。[2]
無理に食事を取ろうとせず、常温のスポーツドリンクや経口補水液を少しずつ飲むのがおすすめです。吐き気が強く水分がとれない、嘔吐が続く場合は脱水症状が進む危険もあります。
体を冷やすことも大切ですが、冷やしすぎはかえって吐き気を悪化させることがあるため、タオルや保冷剤を使って首元などをほどよく冷やすようにしましょう。
それでも改善しない場合は、早めに医療機関を受診してください。
だるさがある場合
翌朝や夜に強いだるさを感じる場合、仕事や家事を無理に進めようとせず、十分に休息を取ることを優先してください。体が熱中症からの回復途中である可能性があります。
エアコンの効いた室内で体を横にし、冷たい飲み物で水分補給をしながら、こまめに塩分も補うようにしましょう。
また冷却シートなどで首や脇、足の付け根などの太い血管を冷やすのもおすすめです。
だるさが長引く場合や、頭痛や吐き気を伴っている場合には、医師の診察を受けるのが安心です。
高齢者や小さな子どもが強い倦怠感を訴える場合は、脱水や体温調節機能の異常が進んでいることもあるため、早めの医療機関受診が推奨されます。
翌日になって38度の発熱がある場合
翌日に38度前後の発熱が出た場合、まずは体温を下げることを徹底的におこなってください。
涼しい部屋で氷枕や濡れタオルを使って太い血管のある首や脇、足の付け根部分を中心に体を冷やし、こまめに水分と塩分を補給しましょう。
熱があるのに汗が出ない場合は、体温がうまく調整できていない状態であるため、早めの冷却処置が必要です。
解熱剤を使用する際は医療機関へ相談することをおすすめします。解熱鎮痛薬が効果をあらわすメカニズムは、熱中症で発熱が起こる仕組みと異なるためです。
一時的に体温が下がっても重症化を見逃すリスクにつながるため、使用しないようにしましょう。発熱が続く、意識がもうろうとするなどの症状がある場合は、救急受診を検討しましょう。
翌日になってから子どもに熱中症症状があらわれたとき
子どもに熱中症の症状があらわれた場合は、日陰や冷房の効いた部屋で安静にさせ、経口補水液などで水分と塩分を補給させましょう。[4]
無理に食事をとらせる必要はありませんが、水分が取れない、嘔吐がある、意識がはっきりしない場合はすぐに医療機関を受診してください。
子どもは体温調節機能が未発達であるため、熱中症の影響が翌日になってから出ることがあります。
ぐったりしている、食欲がない、発熱している、水分をあまり取れないといった症状があれば、熱中症の可能性を疑いましょう。[5]
夜や翌日に熱中症の症状を起こさないための対策4つ
熱中症の症状を夜や翌日に持ち越さないためには、日中の過ごし方がとても大切です。
- 水分と塩分の補給をしっかりおこなう
- 涼しい環境でこまめに休憩する
- 食事や睡眠をしっかりとる
- 外の暑さにある程度慣れておく
とくに屋外活動の多い日や高温多湿な環境で過ごした日は、事前にしっかりと対策をとっておくことで、体への負担を軽減できます。
4つともすぐに始められる習慣ばかりであるため、日常生活に無理なく取り入れられるでしょう。
対策を実践することで、体調の波を抑え、夜間や翌日に症状が出るリスクを減らすことが期待できます。
1.水分と塩分の補給をしっかりおこなう
熱中症対策の基本は、水分だけでなく塩分も一緒に補給することです。人は1日に1.2リットル程度の水分をとることが必要と言われています。
汗をかくと体内の水分と一緒にナトリウムも失われるため、水だけを飲んでいると逆に体調を崩すことがあります。
経口補水液やスポーツドリンク、塩分を含むタブレットなどを活用すると効率よく補給できます。
外出時はこまめな水分補給を心がけ、のどが渇く前に飲むのがポイントです。水分と塩分をバランスよく摂ることで、体温調節機能が正常に働き、夜や翌日の不調予防につながります。
2.涼しい環境でこまめに休憩する
定期的に日陰や冷房の効いた室内に入って、体をクールダウンさせることが重要です。無理に活動を続けると、体内に熱がこもり、夜になってから頭痛や吐き気などの症状が出る原因になります。
暑い中で長時間過ごすと、体に熱がたまりやすくなります。外出の際は涼しい場所での休憩を意識し、汗をしっかり拭き取る、通気性のよい服を着るなどの工夫もあわせて行うとよいでしょう。
3.食事や睡眠をしっかりとる
栄養バランスのとれた食事と十分な睡眠は、体の回復力を高める基本です。とくにタンパク質やビタミンB群を含む食材は、疲労回復やエネルギー代謝を助けてくれます。
暑さで体力を消耗した日は早めに就寝し、しっかりと休息をとることが重要です。睡眠不足は熱中症の回復を遅らせ、翌日の症状悪化につながる恐れがあります。
暑さ対策に加えて、生活習慣を整えることが、体を守る大きな鍵になります。
4.外の暑さにある程度慣れておく
体が暑さに慣れていないと、熱中症のリスクが高まります。暑くなる季節の始まりには、無理のない範囲で外気に触れる時間を増やすとよいでしょう。
いわゆる「暑熱順化(しょねつじゅんか)」と呼ばれるこのプロセスは、汗をかく力を高め、体温調節機能をスムーズにしてくれます。
最初は10〜15分程度の軽い散歩から始め、徐々に活動時間を延ばすことで、体を暑さに慣らしていけます。
熱中症になりかけているときの対処法
熱中症になりかけている段階で素早く対処することが、重症化を防ぐうえで非常に重要です。体が発する初期サインに気づいたら、できるだけ早く対応を始めましょう。
代表的な初期症状には、めまいや立ちくらみ、ぼーっとする、筋肉のけいれん、軽い頭痛、吐き気、異常な発汗などがあります。
症状が出たときは「我慢すれば大丈夫」と思わず、すぐに以下の対処をおこなってください。
詳細 | |
涼しい場所に移動し、衣類をゆるめて風通しを良くする |
|
経口補水液やスポーツドリンクを飲む |
|
本人が「大丈夫」といっても大丈夫ではないことを想定する |
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早めに医療機関に相談しましょう。熱中症は短時間で重症化するケースもあります。だからこそ違和感を覚えた段階での素早い対応が、体を守る大きな鍵になるのです。
よくある質問
熱中症に関するよくある質問を以下にまとめました。
熱中症による頭痛への対処方法や、翌日に熱中症が発症する可能性について詳しく解説します。
大人の熱中症は何日で治りますか?
大人の熱中症で軽症の場合は数日で回復することが多いですが、中等度以上になると1週間以上かかることもあります。
症状が軽ければ、十分な水分や塩分補給と安静によって、2〜3日で元気を取り戻せるケースが多いです。
ただし強い疲労感や頭痛、めまい、吐き気などが続く場合は、無理をせず医療機関での診察が必要です。また一度症状が落ち着いても、体の中ではダメージが残っている場合もあります。
しっかりと休養をとり、完治するまで無理をしないことが大切です。
熱中症の頭痛を速攻で治す方法はありますか?
熱中症による頭痛を和らげるには、まず冷却と水分・塩分の補給が最優先です。涼しい場所に移動し、首やわきの下を冷やすと、体温が下がり頭痛が軽減しやすくなります。
経口補水液やスポーツドリンクなどで水分と電解質をバランスよく補うのも重要です。頭痛薬を飲みたくなるかもしれませんが、脱水状態での服用はかえって体に負担をかける可能性もあります。
まずは自然な方法で体を整え、頭痛が強い場合は自己判断せず医師に相談しましょう。
熱中症は翌日に発症することもありますか?
熱中症はその日のうちだけでなく、夜や翌日に症状が出ることがあります。
日中に受けた熱のダメージが時間差であらわれ、寝る頃や翌朝に頭痛、吐き気、倦怠感などの症状が出ることも珍しくありません。
とくに軽度の熱中症は気づきにくく、放置しているうちに悪化することがあります。日差しの強い日に長時間過ごした後は、体調に注意を払うようにしましょう。
少しでも違和感があれば安静にする、早めに冷やすなどの対策をとることが大切です。
熱中症になりかけているときの初期症状は?
熱中症になりかけの初期段階は、以下が挙げられます。
- 軽いめまいや立ちくらみ
- ぼーっとする感じ
- 吐き気
- 筋肉のけいれん
- 顔のほてり
一見「疲れただけかな」と思ってしまいがちですが、熱中症のサインである可能性があります。早めに対処すれば重症化を防ぐことができます。
涼しい場所で休み、水分・塩分を補給し、症状が改善しない場合は医療機関を受診しましょう。早期対応が命を守る鍵となります。
軽い熱中症は何日で治りますか?
軽い熱中症なら、2〜3日で回復することがほとんどです。ただし症状が軽いからといって油断は禁物です。
倦怠感や頭痛、食欲不振が残る場合は、体がまだ回復していない可能性があります。無理に活動を再開すると、再び症状が悪化するリスクもあるため注意が必要です。
しっかり水分と塩分を補給し、体を休めながら徐々に日常生活に戻すよう心がけましょう。体調が回復するまでの期間は個人差があるため、体の声に耳を傾けることが大切です。
夜や翌日に起こる熱中症の症状を知り、手遅れにならないように対処しよう
熱中症は日中の暑さだけでなく、その日の夜や翌日に症状があらわれることもあります。
頭痛や吐き気、だるさ、発熱などの不調が遅れて出る場合もあるため、「そのとき平気だったから大丈夫」と油断しないように自分の体調の変化に敏感になることが大切です。
熱中症の初期段階で適切に対処すれば、重症化を防ぐことができます。
- 涼しい場所で安静にする
- 水分や塩分をこまめに補給する
- 体を冷やす
上記3つのようなシンプルな対処法でも十分効果があります。また症状が続いたり悪化したりする場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。
日ごろから暑さに備えて体調を整え、熱中症を「防ぐ力」も高めておくことが重要です。睡眠・食事・休息のバランスを整えることで、翌日に疲れが残りにくい体づくりにもつながります。
夜や翌日にあらわれる熱中症のサインを見逃さず、早めの対処で夏を元気に乗り切りましょう。
熱中症は、気付いた時にはかなり脱水症状が進行していたり、判断が遅れて重症化するケースがあります。
ファストドクターのオンライン診療では、熱中症が疑われる症状への対応が可能です。
緊急性の判断などにもご利用いただけます。
もしものときに備えてアプリをインストールし、情報登録までしておくと安心です。
参考文献
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。