熱中症で寒気が出るのはなぜ?原因や対処法を解説

公開日: 2024/09/24 更新日: 2024/09/24
「暑いところにいたのに、寒気がする。熱中症で寒気は出るの?」 熱中症のおもな症状として、頭痛や吐き気などがあります。 しかし熱中症で寒気が出ることや、そのメカニズムを知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。 この記事では、熱中症で寒気が出る原因や対処法、受診するタイミングをくわしく解説します。 最後までお読みいただくことで、寒気への正しい対処法がわかり、今すぐ受診すべきか判断できます。
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熱中症の症状に寒気はある?

熱中症の症状として、寒気を感じることがあります。

これは熱中症によって体内の水分が失われることで、体温調節の働きが乱れるためです。

体内の水分が不足すると、血液の量が減ります。

そうすると脳や心臓などの重要な臓器から優先的に血液が送られ、手足の血管がせまくなり、皮膚や手先などの細い血管の血流が低下します。[1]

これらの血流が減少し、からだの外側(皮膚)での熱放出がうまくできなくなると、体温調節が乱れ、寒気を感じることがあるのです。

熱中症による寒気は、体内の水分不足によって血流が変化し、体温調節が乱れることで起こります。

熱中症の寒気は中等症の可能性も

熱中症によって寒気が出ている場合は、脱水が進んで体温調節がうまくできなくなっている状態です。

放置してしまうと内臓にダメージがおよんだり、意識障害を引き起こしたりする恐れがあります。

寒気がある場合は中等症のサインとみなし、早めに医療機関で適切な処置を受けましょう。

熱中症の寒気だけで風邪やコロナと見分けることは可能?

寒気の症状のみで、風邪やコロナなどの感染症と熱中症を見分けることは難しいです。

なぜなら風邪やコロナの場合も、発熱前に寒気(悪寒)の症状があらわれるためです

風邪やコロナにかかると、からだはウイルスと戦うために体温を上げようとします。[2]

ウイルスの増殖をおさえ、免疫力を高めるためです。[3]

からだが熱を上げようとすると、普段の体温が寒く感じ、寒気やふるえが起こります。これが「悪寒」とよばれる現象です。[2]

一方熱中症による寒気は、からだの脱水状態により、体温調節がうまくできないことで生じます。

こうしたメカニズムの違いはあるものの、見た目だけでどちらか判断するのは困難です。

確実に判断するためには、医療機関で医師の診察を受ける必要があります。

熱中症の寒気以外の症状について

熱中症は、寒気以外にも注意すべき症状があります。

重症度

おもな症状

軽症(Ⅰ度)

  • 失神(一瞬の立ちくらみ)

  • めまい

  • 立ちくらみ

  • のどの渇き

  • 大量の発汗

  • 筋肉のこむら返り

中等症(Ⅱ度)

  • 頭痛

  • 嘔吐

  • 吐き気

  • だるさ

  • 虚脱感(力がはいらない)

  • 集中力・判断力の低下

重症(Ⅲ度)

  • 高体温

  • けいれん

  • 意識障害

参考:熱中症環境保健マニュアル2022|環境省[4]

あらわれている症状によって軽症(Ⅰ度)から重症(Ⅲ度)まで分類されます。

とくに意識が正常であるかどうかが、重症度を判断するポイントです。[4]

ぼんやりしていたり、反応が鈍かったりする場合は、意識障害があらわれている可能性があります。

すぐに医療機関で適切な処置を受けましょう。

熱中症の症状のくわしい情報は、以下の記事を参照してください。

※「熱中症 症状」の記事を内部リンク

熱中症で寒気がした場合の対処法は?

熱中症で寒気を感じた場合、中等症である可能性があります。つぎの対策をとりましょう。[4]

  • 安静

  • 水分と塩分を補給

  • 医療機関へ相談

熱中症の中等症以上では、原則として医療機関で治療を受ける必要があります。とくに自力で水分・塩分の摂取が困難な場合は、すぐに医療機関へ相談してください。

以下は重症度別の対処法です。

重症度

対処法

軽症(Ⅰ度)

自宅やその場で以下の対処をとる

  • 冷所で安静にする

  • からだの表面を冷やす

  • 水分と塩分をとる

中等症(Ⅱ度)

医療機関で以下の処置を受ける

  • 安静にする

  • 体温管理をする

  • 水分と塩分をとる(自力摂取ができない場合は点滴治療を受ける)

重症(Ⅲ度)

入院して以下の治療を受ける

  • 体温管理(体表や体内、血管内冷却など)をする

  • 呼吸や循環の管理をする

参考:熱中症環境保健マニュアル2022|環境省[4]

軽症でも症状が改善しなかったり、自力で対処ができなかったりする場合は、医師の診察を受けましょう。

また、ふらつきや意識障害がみられるときは、転倒によるけがや事故などの二次被害が推測されます。

医療機関まで安全に移動できない可能性があるため、救急車をよぶことも検討してください。

Q&A

熱中症で寒気があらわれる際の、よくある質問にお答えします。

熱中症になるとゾクゾクするのはなぜ?

熱中症でゾクゾク感じるのは、体温調節がうまくできていないためです。

熱中症は体内の水分と塩分が不足し、体温調節の働きが乱れることで発症します。

からだが脱水状態になると、発汗や汗の蒸発が十分におこなえず、体温調節の機能が低下します。

その結果、からだの体温を適切に維持できず、体温が下がり、ゾクゾクとした寒気を感じるのです。

熱中症による寒気がある場合、重症度は中等症と推察できます。速やかに医療機関を受診してください。

熱中症で寒いときはどうすればいいですか?

熱中症で寒いときは、水分と塩分を補給しながら、すぐに医療機関を受診してください。

というのも、熱中症によって寒気を感じているときは、すでに体温調節の機能が正常に働いていない状態だからです。

このまま放っておくと、高体温や意識障害などのリスクが高まり、命にかかわることがあります。

「まだ大丈夫」と油断せず、かならず医師の診察を受けましょう。

脱水になると悪寒がするのはなぜ?

からだが脱水状態になると、体内の水分と塩分が不足し、体温調節がうまくできません。

体温を維持することが難しくなり、体温が下がることもあります。

このように、体温調節の機能が乱れることで、体温が下がり寒気やふるえが生じます。

まとめ

熱中症や脱水状態で寒気や悪寒を感じた場合、すでに体温調節機能が正常に働いていないサインです。

このまま放置すると、高体温や意識障害など命にかかわる症状が出る可能性があります。

水分や塩分を補給し、涼しい場所で安静にしつつ、かならず医療機関を受診してください。

からだの異変を軽視せず、早めの対処が健康を守るために不可欠です。

命を守るためにも、正しい対応を心がけましょう。

熱中症に備えて、アプリをインストールしておきませんか?

熱中症は、気付いた時にはかなり脱水症状が進行していたり、判断が遅れて重症化するケースがあります。

ファストドクターのオンライン診療では、熱中症が疑われる症状への対応が可能です。

緊急性の判断などにもご利用いただけます。

もしものときに備えてアプリをインストールし、情報登録までしておくと安心です。

参考文献

[1]総論 栄養管理における体液状態の評価|谷口 英喜

[2]ホメオスターシスについて|厚生労働省

[3]知っておきたい 免疫のホント|鳥取大学医学部付属病院 広報誌

[4]熱中症環境保健マニュアル2022|環境省

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

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