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耳帯状疱疹とは?3つの症状について解説
帯状疱疹の症状は、一般的に水疱の形成や体の片方に出る、ピリピリとした痛みが特徴的です。
耳帯状疱疹は、皮疹や水疱といった症状が耳に出る病気です。
ただし、水疱に加えて顔面神経麻痺が現れている場合は、ラムゼイ・ハント症候群とも呼ばれます。
ラムゼイ・ハント症候群は、第8脳神経に影響を及ぼし、顔面神経麻痺等を引き起こします。このことから非常に注意が必要な疾患です。
耳帯状疱疹の3つの主な症状について解説するので参考にしてください。
耳帯状疱疹で耳の中が痛くなる?
耳帯状疱疹の場合、耳介(耳の外側)や外耳道の水疱形成が特徴的な症状です。また、耳の中に激しい痛みを感じる場合があります。
これは、耳周辺に存在する神経において、水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化が起こっているためです。
また、耳帯状疱疹では、しばしば第8脳神経症状と呼ばれる耳鳴りやめまい、難聴といった症状も併発するので注意が必要です。
耳帯状疱疹で耳が痒くなる?
耳帯状疱疹で、耳に痒みが現れることがあります。耳帯状疱疹では、水疱や疼痛といった症状が出現する前兆として、耳の掻痒感(痒み)がでることがあります。
耳の中や耳の周りに痒みや違和感を感じた場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
耳帯状疱疹で頭は痛くなる?
耳帯状疱疹は、第7脳神経や第8脳神経にめまいや顔面麻痺といった症状を起こします。
また、そのような神経症状に併発した頭痛や、他の脳神経による頭痛を起こす可能性もあるでしょう。
他にも、痛みを伴う水疱が耳周辺にでき、頭痛が起きることもあります。頭痛が長期間つづく場合や、ひどくなる場合は、医療機関へ相談しましょう。
耳帯状疱疹の原因は何?
耳帯状疱疹の原因は、水痘(水ぼうそう)の原因である水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化です。水痘・帯状疱疹ウイルスは、一度感染すると神経の中に潜伏しつづけます。
初回の感染では、水痘として発症し、症状改善後も神経に潜伏するのが特徴です。
そのため、水痘にかかったことがある人は、基本的に水痘・帯状疱疹ウイルスを保持しています。
ただし、神経の中に潜んでいるだけであり、症状は特にありません。何らかのきっかけでウイルスが再活性化すると発症します。
再活性化の要因として、加齢やストレス、糖尿病、薬剤による免疫力の低下などがあげられます。
特に加齢は帯状疱疹の発症と関係が強いとされており、帯状疱疹を発症する患者の約7割は50歳以上の人です。
耳帯状疱疹の症状の出る部位はどこ?
耳帯状疱疹かなと思ったときに、症状のある場所は重要なヒントになります。
耳帯状疱疹の発症時期等に合わせて、いくつかの場所で症状がでやすいです。ここでは、耳帯状疱疹の症状が出やすい部位について解説します。
耳の周囲や後ろのあたり
耳帯状疱疹では、後頭神経痛と呼ばれる症状が出ることがあります。
後頭神経痛とは、頭皮の感覚神経に起こる神経痛です。耳帯状疱疹の特徴として、耳の後ろのあたりが痛みます。
帯状疱疹の合併症であれば、片側に症状が出るのも特徴の一つです。
耳の周囲や後部に違和感や痛みを感じる場合は、耳帯状疱疹の可能性もあるため、医療機関へ相談しましょう。
耳介や外耳道
耳帯状疱疹は、様々な顔面の機能をつかさどる三叉神経や舌咽神経に発症する場合が多いです。
これらの神経において、水痘・帯状疱疹ウイルスが再活性化し、耳介や外耳道の周辺に赤みを伴った水疱が現れることがあります。
また、顔面神経麻痺などの重篤な症状がみられる場合もあります。
耳帯状疱疹の診断方法は?
耳帯状疱疹と診断するには次のような検査が実施されるでしょう。
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視診
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問診
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聴力検査
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MRI
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平衡機能検査
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血液・検体検査
耳帯状疱疹は、問診や視診が基本です。場合によっては水疱から検体を取り、検査をしたり他の疾患を否定するためにMRIなどの画像検査をしたりすることもあるでしょう。
また、耳帯状疱疹では聴力や平衡感覚に症状が現れ、重大な後遺症となる可能性があります。その場合、聴力検査や平衡感覚の検査が行われます。
この他にも、症状に応じて追加の検査を受ける場合もあるでしょう。
耳帯状疱疹の治療法について解説|痛みはいつまで続く?
耳帯状疱疹は、後遺症が残る可能性もあるため、早期に治療介入が必要な場合が多いです。
耳帯状疱疹の治療方法には、どのような治療方法があるのでしょうか。また、治療後の痛みはどの程度続くのかについても解説します。
耳帯状疱疹の主な治療方法
耳帯状疱疹の治療方法は、薬物療法が基本となります。薬物療法には次のような薬剤が使用されます。
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経口抗ウイルス薬(飲み薬)
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点滴抗ウイルス薬
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鎮痛剤
耳帯状疱疹の治療は、皮膚症状の発症から72時間以内に、抗ウイルス薬を1週間程度服用することが推奨されています。
また、72時間以降に内服を開始しても効果は期待されるとされています。
抗ウイルス薬が飲めない人や重症な人に有効な治療法は、点滴で抗ウイルス薬を使用することです。
帯状疱疹で使用される経口抗ウイルス薬には、アシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビルなどがあります。
これらの薬は人によっては、有害な副作用が現れる可能性があります。
そのため、腎機能が低下している人や妊婦などがこれらの薬物を使用する際は、医師や薬剤師へ必ず相談しましょう。
また、耳帯状疱疹には痛みを併発する場合が多いため、鎮痛薬を併用することも多いです。
痛み止めには、ロキソプロフェンのようなNSAIDsと呼ばれるものや、アセトアミノフェンと呼ばれる薬が使用されます。
また、症状に応じて帯状疱疹独特の神経痛に効果が期待される、プレガバリンや三環系抗うつ薬を使用することもあるでしょう。
耳帯状疱疹の痛みはいつまで続く?
抗ウイルス薬の使用により、耳帯状疱疹の痛みは1週間程度で緩和され、皮膚症状は3週間程度で改善するとされています。
ただ、免疫力の低下が予想される人は注意が必要です。
例えば、ステロイドや抗がん剤のような薬物治療によって免疫力が低下している人や、ストレスや疲労などで免疫力が低下している人の場合です。
このような人の場合は、ウイルスの活性化が抑えづらく、症状の改善に比較的時間がかかることも多いです。
また、耳帯状疱疹発症後には、後遺症が残る場合もあります。この後遺症は、帯状疱疹後神経痛と呼ばれており、痛みが完治せずに残存することです。
帯状疱疹後神経疼痛の治療には、帯状疱の神経痛と同様に、NSAIDsやアセトアミノフェンが軽症例では使用されます。
ただし、NSAIDsやアセトアミノフェンで鎮痛効果が不十分な場合は、オピオイドやプレガバリン、三環系抗うつ薬など違う作用点の薬剤の併用が行われることもあるでしょう。
帯状疱疹後神経疼痛の痛みに対しては、改善はあまり期待できません。そのため、鎮痛薬を継続的に服用することで、うまく痛みと付き合っていく必要があります。
耳帯状疱疹は自然治癒する?
耳帯状疱疹は、1ヶ月程度で自然治癒する場合があります。ただし、症状が長く改善しなかったり、症状が増悪したりする場合は受診しましょう。
また、耳帯状疱疹を発症した後、神経痛や顔面麻痺等の後遺症が残存する可能性があります。
自然治癒を期待して症状が悪化し、後遺症が残る場合もあるため、早めに適切な治療を受けることが必要です。
耳に違和感や掻痒感、痛みを感じた場合はすぐに受診し、医師の指示を受けるようにしましょう。
耳帯状疱疹は人にうつる?
耳帯状疱疹が人に感染するかどうかは、人によります。耳帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスが原因となる疾患です。
水痘・帯状疱疹ウイルスは一度感染すると、神経節の中にウイルスが潜伏し、免疫力の低下などをきっかけに再活性化し発症します。
一度水痘にかかったことがある人は、基本的には水痘・帯状疱疹ウイルスを保持している状態です。
そのため、耳帯状疱疹の患者に接触することで帯状疱疹が感染することはありません。
ただし、水痘の予防接種をしていない人や、子どもなどの、水痘に感染したことがない人は注意が必要です。
このような人たちは、水痘・帯状疱疹ウイルスを体内に保持していないため、ウイルスへの曝露により水痘を発症する可能性があります。
水痘・帯状疱疹ウイルスは、特に水疱内にウイルスが存在しているため、水疱を手で不必要に触ることは避けましょう。
また、身近な人が帯状疱疹になった場合、接触感染予防と空気感染予防が重要です。接触感染予防は患者に極力接触しない事や手洗いうがいなどです。
また、空気感染予防のためにはマスクを着用し、空気中に漂っているウイルスと接触しないよう注意する必要があります。
医療機関では、空気感染予防のためにN95マスクといった特別なマスクを使用することもあります。
ただし、N95マスクを自宅で長期間使用することは、呼吸がしづらく危険を伴うため、自分の判断で行うことはあまり推奨されません。
水痘・帯状疱疹ウイルスは、水疱が乾きかさぶたのようになると感染の可能性が低くなるため、それまで感染予防が必要です。
Q&A
耳の帯状疱疹の初期症状・症状は?
耳帯状疱疹では、初期症状が現れる場合があります。具体的な初期症状は、皮疹や水疱が発現する前から感じる痛みや掻痒感(痒み)です。
痛みや掻痒感(痒み)が現れた場所に、皮疹や水疱といった耳帯状疱疹の症状が発症します。
また、耳帯状疱疹が発症する前に倦怠感や頭痛、発熱などの症状を体感する場合もあります。
耳帯状疱疹の症状は、皮膚症状の他に神経症状もあげられます。具体的な神経症状は、顔面神経麻痺や難聴、めまいなどです。
このような症状が出ている場合は、ラムゼイ・ハント症候群と呼ばれ緊急度が非常に高くなるためすぐに受診しましょう。
耳帯状疱疹の治し方は?
耳帯状疱疹の治療には抗ウイルス薬の使用が必要です。耳帯状疱疹は、早めに受診し、治療を受けるようにしましょう。
症状が軽度な場合は自然治癒する場合もありますが、症状が悪化した場合のリスクが大きいです。
できるだけ早い抗ウイルス薬の服用が、再活性化したウイルスを抑えるためには必要です。
ただし、免疫力が低下している人の場合、症状の改善に時間がかかることもあります。
また、耳帯状疱疹に関連した痛みやめまいに対し、抗ウイルス薬とは別に対処療法として鎮痛薬などの薬剤を使用することもあります。
帯状疱疹は耳の中にもできますか?
帯状疱疹の原因である水痘・帯状疱疹ウイルスが、聴覚や平衡感覚、顔面の運動をつかさどる神経に感染することもあります。
この場合、外耳道や耳介といった耳にも症状が現れます。
耳帯状疱疹の中でも、顔面神経に影響を及ぼしている場合はラムゼイ・ハント症候群とも呼ばれます。
ラムゼイ・ハント症候群は、顔面運動麻痺や難聴、めまいなどの帯状疱疹とは違う症状が特徴的です。
これらの症状がある場合、後遺症が残るリスクもあるため早急な受診が必要です。
まとめ
耳帯状疱疹の中でも、顔面の神経に症状がある場合はラムゼイ・ハント症候群とも呼ばれます。ラムゼイ・ハント症候群は、外耳道や耳介に水疱を形成し痛みを伴います。
それに加えて、顔面神経麻痺や難聴、めまいを併発する緊急性の高い病気です。さまざまな要因による水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化が、耳帯状疱疹の原因です。
耳帯状疱疹の治療には、薬物治療が必要であり、早期の治療が必要になります。
治療が遅れることで痛みや神経麻痺が残る場合があります。もし、耳の痛みや痒み、表情に違和感を感じた場合は、早急に受診するようにしましょう。
症状がつらくなったときに病院が休みだったらどこを頼ればよいのか困ってしまいますよね。
夜間や休日でもすぐに医師に相談ができるように、ファストドクターのアプリをダウンロードしておきませんか?
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。