アレルギー性蕁麻疹について
アレルギー性蕁麻疹の特徴・症状
アレルギー性蕁麻疹の特徴
アレルギー性蕁麻疹は、蕁麻疹がアレルゲンというアレルギー反応を発症させる物質に反応して起きるものです。
アレルギー反応としてはⅠ型~Ⅳ型がありますが、アレルギー性蕁麻疹の場合は、花粉症などと同じI型になります。
アレルギー性蕁麻疹をアレルゲンが引き起こす仕組み
肥満細胞と言われる細胞が真皮の血管の近くにあり、この細胞の表面には免疫グロブリンのIgEという一種のタンパク質がついています。
アレルゲンと免疫グロブリンのIgEは反応し、IgEの量がアレルギー体質の場合は多い、あるいは多く生産されるようになります。
また、反応するアレルゲンがそれぞれのIgEは決まっており、多く花粉に対するものを持っていれば花粉症になります。
例えば、ソバアレルギーがある場合に、ソバを摂ってソバに反応するIgEとソバの成分が遭遇すれば、体からこれを排除する反応が起きます。
実際には、ヒスタミンという炎症性の化学物質などが、有害であると考えた敵をアタックするために肥満細胞から放出されます。
このヒスタミンは、発疹、皮膚や目の痒みなどというようなアレルギー反応の要因になります。
アレルギー性蕁麻疹も一つのアレルギー反応で、末梢神経がヒスタミンの働きによって拡がり、血管外に漏れた水分が赤く皮膚を盛り上がらせます。
痒みを起こす働きもヒスタミンにはあるので、激しい痒みが赤い膨疹と一緒に現れます。
アレルゲン物質を摂れば、アレルギー性蕁麻疹がこのすぐ後から約2時間のうちに起きます。
アレルギー性蕁麻疹は、一般的に、数時間経つと全く無くなり、長い場合でも1日以上継続する場合はありません。
しかし、アレルゲンとして同じものを摂ると再発します。
再発することによって症状が重くなり、命が危なくなる恐れがある場合もあるので注意しましょう。
アレルギー性蕁麻疹の症状
アレルギー性蕁麻疹だけの症状はなく、蕁麻疹の全てに該当するものとしては次のようなものがあります。
- はっきりした境界の環状
- 円形のぶつぶつ、赤い地図のような形状の盛り上がりが現れる
盛り上がりの大きさとしては、小さい1mm~2mmのものから、手のひら大のものまでいろいろです。 - 痒みが激しく、焼けるような感じやチクチク感も時にある
- どこでも全身に現れる
なお、アレルギー性蕁麻疹の症状が重くなった場合は、アナフィラキシーが起きる場合があります。
アナフィラキシーというのは、皮膚症状の蕁麻疹など以外に、粘膜症状の口の中や唇、まぶたの腫れなど、消化器系症状の嘔吐、吐き気、胃もたれ、疼痛、便秘、下痢など、呼吸器系の咳、息切れ、喘息などの症状が現れます。
さらに、重い場合は、血圧が下がって、意識が無くなる状態になる場合もあります。
アレルギー性蕁麻疹の診断と検査
アレルギー性蕁麻疹の診断は視診でできますが、要因を調べるために、血液検査やスクラッチテストを行ったりしてアレルギー反応が起きるIgE抗体を調べます。
アレルギー性蕁麻疹の治療法
アレルギー性蕁麻疹が起きた場合は、痒みを紛らわせるために患部を冷やして、可能な限りかかないようにしましょう。
また、特定の食べ物などを摂った場合に何回もアレルギー性蕁麻疹が起きるなど重い症状の場合は、医療機関を早めに受診して、アレルギーの要因を調べて、治療を必要に応じて行いましょう。
アレルギー性蕁麻疹の場合は、医療機関において次のような治療を行います。
- 薬物療法
対処療法としてアレルギー性蕁麻疹を抑える場合は、抗ヒスタミン剤が含まれている外用薬を塗ったり、抗ヒスタミン剤を服用したりします。
ステロイド剤が、抗ヒスタミン剤の効果が無ければ処方される場合もあります。
- 抗原回避療法
アレルゲンが検査によって判明すれば、アレルゲンを除去したり回避したりするように指導されます。
- 減感療法
少量の薄い濃度の原因物質を体の中に注射などで注入して、様子を注意深く見ながら濃度をだんだん高くして量を多くし、体を原因物質に慣らせていきます。
アレルギー性蕁麻疹は重症になる場合もあるため、自分で安易に判断しないで、医師に判断してもらうことが大切です。
アレルギー性蕁麻疹の予防
アレルギー性蕁麻疹を予防するためには、次のような要因になるものを避ける必要があります。
- 食べ物
食べ物としては、乳製品の牛乳、卵など、甲殻類のエビ・カニなど、肉類、穀類のソバ・小麦など、豆類の落花生・大豆など、魚介類の青魚の鯖や鯵など・貝など、果実のキウイ・クルミなどが挙げられます。
特に、小麦、乳製品、ソバ、落花生、卵は、よくアレルギー反応が起きると言われています。
- アレルゲンの吸入性のもの
アレルゲンの吸入性のものとしては、花粉、ハウスダクトのダニの死骸など、綿ホコリ、ペットの毛などが挙げられます。
- 薬物
薬物としては、ペニシリン系抗生物質・抗生剤、非ステロイド消炎鎮痛剤、アセチルサリチル酸製剤などが挙げられます。
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本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。