回虫症について
回虫症の特徴・要因・症状
回虫症の特徴
全世界に回虫は分布しており、代表的な寄生虫のように昔から言われており、日本においても太平洋戦争が終わった後の生活が苦しい時期には多くの国民が回虫症に感染しました。
最近は、非常に患者が少なくなってきましたが、海外旅行に行った際などに時々感染する場合があります。
回虫症は幼児が主にかかるもので、寄生虫が体の中にいる猫や犬、別の動物の糞で汚染されている土を触ると、回虫症に感染します。
砂場は、よく猫や犬が糞をするので、回虫に触る恐れが特にあるところです。
小児の場合は、回虫を手から口によく移す場合があり、汚染している砂を食べる場合もあります。
成人でも、場合によっては、汚染している土などを触って回虫症に感染する場合があります。
小児や食べ物ではない粘土や土などを摂りたがる成人の場合は、特に感染する恐れがあります。
体の中のほとんど組織の全てが侵される恐れがありますが、最も多く侵されるのは肝臓と肺です。
何ヶ月間も幼虫は生きて、組織間を移って炎症と損傷が起きます。
人の体の中では幼虫は成虫になりません。
成虫になるには、別の宿主として猫や犬、他の動物が必要になります。
回虫症の要因
回虫は、回虫を飲み込むことで、ほとんどは汚染した食べ物になります。
回虫は丈夫であり、何年も土中で生きることができます。
回虫は、口から一度侵入すると腸で幼虫になります。
幼虫は小腸壁を通って血液やリンパの流れに乗って、肺に侵入します。
幼虫は肺の肺胞に侵入し、ここから気道を上がってから飲み込まれて、小腸で再度成虫になってとどまります。
この期間はほとんど2ヶ月~3ヶ月間です。
成虫は、約15cm~50cmの長さ、約2.5mm~5mmの直径になり、1年間~2年間生きます。
成虫が産んだ虫卵は体の外に便と一緒に出て、土の中に拡がって、摂られると再度感染サイクルがスタートします。
回虫症の症状
人は、回虫にとって宿主ではないため、人の体の中に侵入しても成虫になれなく、幼虫の状態でいろいろな臓器に侵入します。
そのため、幼虫が侵入する箇所によって、症状がいろいろ現れます。
人の場合は、1ヶ月程度発症するまでにかかります。
一般的に、幼虫は腸管の粘膜から血液の流れやリンパの流れによって体の中を移り始めます。
肺に肝臓から移る時期には肺炎、肝炎が現れます。
網膜の中に幼虫が移ると眼内炎や膜炎が現れ、失明することもあります。
幼虫がどのような臓器に侵入するかによっても違ってきますが、回虫症の症状としては、発熱、食欲不振、だるさ、腹痛、呼吸する際にゼーゼー、ヒューヒューというような音がする喘鳴、咳などが現れます。
目に幼虫が侵入した場合は、視野障害や視力障害、全体的に視界が霞んで見える霞視、糸くずや黒い虫のようなものが視界に飛ぶように見える飛蚊症などの症状が現れます。
回虫症の診断と検査
回虫症を診断する際には、血液検査によって、寄生虫に対する抗体を調べます。
肺の炎症、肝臓の腫大、発熱、白血球の一種の好酸球の増加がある場合は、回虫症の疑いがあります。
トキソカラ属線虫の抗体が血液の中にあれば、回虫症の診断が確定します。
なお、抗体というのは、体を寄生虫などによるアタックから保護するために、タンパク質として免疫機能が作るものです。
生検において、組織片を肝臓や別の組織から採って、幼虫による炎症があるかどうかや幼虫の形跡を調査する場合もまれにあります。
回虫症の治療法
回虫症の場合は、症状がほとんど自然に治るため、治療する必要はありません。
重い症状の場合や感染が眼にある場合は、メコルチコステロイドとベンダゾールあるいはアルベンダゾールのいずれかを併用します。
強い光線を照射するレーザー光凝固術によって、眼の中にいる幼虫を殺すことも場合によってはあります。
回虫症の予防
回虫は多く産卵数があるということで有名で、10万単位の卵を1日に産むと言われており、卵を大量にばらまきます。
また、ばらまかれた卵は、薬品に対しても乾燥に対しても抵抗するため、処理を外界で行うことは困難です。
動物を飼育するようになった場合は、その動物の健康状況によってできる限り虫下しを早い段階で行うことが望ましく、現在では定期的に動物の虫下しを行うしか方法はありません。
寄生虫というのは回虫以外にもあるため、とりあえず、適当な薬を投与しててみるというのは、選択としては余り賢いものではありません。
どのようにどのような虫下しを使用するかということについては、近くの獣医師に必ず相談しましょう。
また、排泄したばかりの便に回虫が混じっている場合は、感染する能力がまだないため、手早く便を処理するようにしましょう。
さらに、普段から、手を洗ったり、調理を清潔に行なったりするというようなことも非常に大切です。
症状がつらくなったときに病院が休みだったらどこを頼ればよいのか困ってしまいますよね。
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本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。