おたふくかぜについて
監修医師:神田貴行 先生(小児科医)
おたふくかぜ
ポイント
1
ムンプスウイルスの感染によって起こる
おたふくかぜは、正式名称を流行性耳下腺炎といい、ムンプスウイルスによって引き起こされる感染症です。感染力が高く、感染者1人から4〜7人程度にうつる可能性がある(インフルエンザの2〜3倍程度)ため、注意が必要です。
感染者の中心は3〜6歳頃のこどもですが、大人になってからかかる場合もあります。大人が感染すると、こどもよりも合併症のリスクが高く、重症化しやすいため注意が必要です。
感染経路
- 飛沫感染
- 接触感染
潜伏期間
- 2〜3週間
症状
- 急な高熱
- 耳下腺(耳の付け根から顎にかけて、両側もしくは片方)の腫れや痛み
ポイント
2
難聴、髄膜炎を合併する場合がある
おたふく風邪は、比較的合併症の割合が高いとされています。
髄膜炎は感染者の50人に1〜5人の割合で発症しますが、後遺症が出ることは稀です。
ムンプス性難聴は感染者の1000人に1人の割合で発症し、難治性であり、生涯聴力を失う可能性があります。
高熱が続いたり、症状に違和感がある場合は医療機関を受診しましょう。
ポイント
3
大人が感染すると精巣炎、卵巣炎になることも
大人が感染すると、40度を超える高熱がみられたり、耳下腺の腫れや痛みが強くなったりすることが多く、こどもと比較すると症状が重くなる傾向にあります。
さらに大人に特徴的な合併症では、男性の30%は精巣炎を、女性の7%は卵巣炎を起こす可能性があります。精巣や卵巣に炎症が及ぶことで、稀に不妊の原因となる場合があります。
強い腹痛や睾丸に痛みを感じた際には、医療機関を受診しましょう。
ポイント
4
特効薬はない
おたふくかぜに特効薬はありません。つらい症状を和らげる対症療法での治療となります。
感染や合併症を避けるためには予防接種が効果的です。
ポイント
5
任意接種のワクチンで予防できる
感染者のうち30%は症状があらわれない不顕性感染となります。症状があらわれていなくても感染力はあり、周囲へ感染を広げてしまうため、流行を防ぐことが難しいです。
感染力が高いため、流行期には手洗い、うがい、マスクで予防しましょう。
おたふくかぜの予防接種は義務ではありませんが、任意でワクチンを接種する事で、重症化や合併症を防ぐことができます。
おたふくかぜもっと詳しく
症状の変化
潜伏期
ウイルスが体内へ侵入後2〜3週間で発症
発症期
- 風邪に似た症状があらわれる
- 発症後1〜3日で耳下腺の痛みと腫れがあらわれ、1〜2日で腫れのピークを迎える
回復期
腫れや痛みが数日続いた後、発症から7日前後で症状が落ち着く
予防接種について
予防接種には、予防接種法に基づき対象者全員が受けるべき(努力義務)定期接種と、個人の判断で行う任意接種があります。
おたふくかぜは任意接種で行う予防接種です。
おたふくかぜの対処
耳下腺(耳の付け根から顎にかけて)の腫れや痛みは冷やす
耳下腺(耳の付け根から顎にかけて)炎は冷やすことで腫れや痛みが和らぎます。タオルで巻いた保冷剤や、冷却シートを使用して冷やしましょう。痛みが強い場合は鎮痛薬を使用してもかまいません。
やわらかい食事を選ぶ
おたふくかぜのときは、耳下腺炎の痛みから食事をすることが難しくなる場合があります。
食欲がなければ無理をする必要はありませんが、食事の際には柔らかい食品を選ぶとよいでしょう。食事は、脱水や低血糖を予防するうえでも大切です。
高熱による脱水症状に注意
高熱が持続することで脱水症状を起こす可能性があります。こどもはとくに注意が必要であるため、意識的にこまめに水分補給を行いましょう。
脱水症状の予防に効果的なのは…
経口補水液
麦茶、スポーツドリンク、ジュース
オレンジジュース
酸味が刺激となり、口の中やのどの痛みが強くなったり嘔吐を引き起こしやすくなります。
食事や水分が摂れず低血糖になる場合がある
高熱による倦怠感や、食欲の低下、痛み、耳下腺炎による口の開けづらさから、食事や水分がとれなくなる場合があります。こどもは、前回の食事から12時間以上何も口にしないと低血糖を起こす可能性があります。
意識がはっきりしていて口に何か入れられそうなら、糖分を含む飲み物や食べ物をとらせましょう。年齢によっては、ラムネ・アメ・はちみつ(1歳以上)なども効果的です。
症状があらわれた場合は医療機関を受診する必要があります。低血糖のサインを覚えておきましょう。
こまめに水分補給を!脱水症状・低血糖のサイン
脱水症状・低血糖の予防に効果的な飲み物
- 経口補水液(OS-1 など)
- スポーツドリンク
- 麦茶
- リンゴジュース
脱水症状のサイン
- 尿の量や回数が極端に少ない
- 尿が濃い
- ぐったりしている
低血糖のサイン
- 顔色、唇の色が悪い
- いつも以上に空腹を訴える
- 頻繁にあくびをする
- 手足が震えている
- ぐったりしている
受診したほうがいい症状
以下の症状がある場合は脱水症状や低血糖が疑われるため、速やかに受診してください。
- 尿の量が極端に少ない
- 泣いているのに涙が出ない(こどもの場合)
- 熱があるのに汗をかかない
- 両目がくぼんでいる
- ぐったりしている
- 意識がぼーっとしている
- 頻繁にあくびをしている
- いつも以上に空腹を訴える
高熱でけいれんの可能性も
高熱により、乳幼児が熱性けいれんを起こしてしまったら、以下のように対処しましょう。

1.患者の顔と体を横向きにする
- 呼吸しやすい体勢にし、吐いたものが喉につまったり、肺や気管に入ることを防ぎます
- 呼びかけたり、揺さぶることは避けましょう。刺激になってしまいます。
- 余裕があれば、右半身を下に横向けにしましょう。
2.けいれん開始時刻を正確に記録する
- スマホで時刻をスクショして記録するとよいです
- 余裕があればタイマー起動して間隔を把握しましょう
3.余裕があれば動画を撮影する
- 医師に動画を見せることで、診察がスムーズに進むでしょう。
登園目安
おたふくかぜは出席停止期間が設けられている病気です。耳下腺の腫れが発症してから5日が経過し、熱・腫れ・痛みがなくなるまでは登園ができません。
おたふくかぜと診断されたら通園している施設へ報告するようにしましょう。
受診目安
119 救急車を要請
- 意識がはっきりしない
- 呼吸が苦しい
- 唇が青白い、青紫色になっている
- 5分以上けいれんを起こした
- 初めてけいれんをおこした(今はおさまっている)
救急車を検討・昼夜を問わず救急外来へ
- 39℃以上の高熱が3日以上続いている
- 尿量が極端に少ない
- 食事や水分が全くとれずぐったりしている
- 強い腹痛が続いている
- 睾丸に強い痛みがある
おたふくかぜが疑われる際は
オンライン診療で相談可能です
高熱の後に、耳の下を痛がっている!
不安なとき
オンラインですぐに
医師に相談できます
おたふくかぜの
オンライン診療に対応
24時間365日、全国エリアで対応
移動なし、自宅で受診
保険証・医療証が使えます
診察前に以下の注意事項をご確認ください
- オンライン診療で対応が難しいと医師が判断した場合、対面診療をご案内する場合もあります。(その場合、診察料は請求いたしません)
- お薬の処方は医師の判断によります。
- 全国エリアで対応していますが、医療機関がない離島在住の方はご利用になれません。
「対処法を調べる」監修医師

こうだたかゆき
神田貴行医師
日本小児科学会専門医/博士(医学)
島根大学医学部臨床教授
コンサータ登録医
鳥取大学医学部卒業後、小児科医として16年間病院勤務、11年間発達障害児対応クリニック院長を務めた。現在は小児科を中心にオンライン診療等を行うフリーランス医師としても活動中。
この記事は医師監修のもと、ファストドクター株式会社が制作しています。


