耳の痛み・かゆみについて(外耳炎の疑い)
監修医師:神田貴行 先生(小児科医)
外耳炎
耳が痛い・耳がかゆい
外耳炎とは、耳の入口から鼓膜までの外耳道で炎症が起きている状態のことです。
主な症状は耳のかゆみ、痛みです。
炎症が強くなることで耳漏(耳だれ)の症状がでたり、聞こえにくくなったり耳が詰まった感覚が起こることもあります。
多くは適切な治療を受けることで治りますが、中には難治性のもの(外耳道真菌症)もあります。
症状が改善しない場合や、ぶり返す場合は医療機関を受診しましょう。
耳漏(耳だれ)とは
耳漏とは、耳から液体が出てくることを言います。何らかの原因で、耳に炎症や化膿が起こっているサインです。
>>耳漏こどもの耳を触る行動は外耳炎のサインかも
- 耳を頻繁に触っている
- 名前を呼んでも聞こえていないときがある
- 話しかけても聞こえていないときがある
- テレビの音量を上げることが多くなった
- 耳の周辺にカスのような汚れが付着している(耳漏が乾燥した跡)
- 耳や耳垢が臭い
こどもの場合、症状をうまく伝えられず発見が遅れることがあります。
上記のような行動があるときは耳鼻科を受診することが望ましいでしょう。
慢性化することで将来的な影響が出ることも
外耳炎を治療しなかったり、生活習慣(耳掃除の頻度やイヤホン・補聴器・耳栓の使用頻度)が改善されず、治療が不十分だった・炎症を頻繁に繰り返す場合は、症状が慢性化する可能性があります。
慢性外耳炎になると、炎症が鼓膜を超えて中耳に及び中耳炎を合併する場合や、軟骨に炎症が及ぶ場合があるほか、将来的に聴力が低下する難聴になる可能性があります。
耳掃除のしすぎ・耳を塞ぐこと・水が入ることが原因になりやすい
外耳炎になる主な原因は、耳の触りすぎによって外耳道が傷つくことです。傷から細菌感染・炎症を起こすことで、かゆみや痛みなどの症状があらわれます。
具体的には、耳掃除のしすぎや、耳の中を触る癖が挙げられます。
また、日常的なイヤホン・補聴器・プールでの耳栓の着用や、お風呂・プールの水が耳に入ることは耳の中に細菌が繁殖しやすい環境を作ります。耳の中での細菌の繁殖も外耳炎を引き起こす原因となります。
外耳炎もっと詳しく
外耳炎は外耳道が傷つき、細菌感染することで炎症が起こります。
外耳道が傷つく原因
- 耳掃除のしすぎ
- 耳を触る癖がある(アレルギー体質でかゆみがあらわれやすいなど)
細菌を繁殖させやすい習慣
- イヤホン、補聴器、耳栓の長時間装着
- 不衛生なイヤホン、補聴器、耳栓の使用
- シャンプーや水が耳に入る
- 耳の中が濡れた後の乾燥や拭き取りが不十分
症状
- かゆみ
初期症状に多く見られる。かゆみ→掻く→炎症→かゆみが増すという悪循環になりやすい。
- 痛み
耳を触ると痛みを感じる。炎症が強くなると触らなくても痛む場合や、耳の後ろや下など、周辺にまで痛みが及ぶ。
- 耳漏
白または黄色の膿が出る場合がある。
- 聞こえにくさ
外耳道が腫れたり、膿によって耳が詰まることで一時的に起こる。
- 耳鳴り
キーン、ピーというような音が聞こえる。
- 耳閉感
耳が詰まったような感覚がある。
- 全身の発熱
発熱を伴う場合もある。
- 難聴
炎症が長期化し慢性化すると、外耳道の皮膚が厚くなり、外耳道そのものや耳の穴が狭くなることで聴力低下を起こす可能性がある。
外耳炎の予防
耳掃除は月一回程度、見える範囲で行う
耳垢には耳を保護する役割があります。そのため、耳垢をとりすぎることは耳を傷つきやすくしてしまいます。
また、耳掃除自体が外耳道を傷つけたり、耳垢を奥へ押し込んでしまう原因となり、結果的に外耳炎を起こしやすくなります。
耳掃除は月1回程度、見える範囲を簡単に拭う程度が推奨されます。
耳の水分を拭き取る・乾燥させる
耳の中の湿度が高いと雑菌が繁殖しやすい環境になります。
お風呂やプールの後は、耳の入口はタオルなどで優しく抑えて水分を拭きとり、しっかり乾燥させるようにしましょう。
イヤホン・補聴器・耳栓の衛生管理と使用頻度の調整
不衛生な物を耳に入れることで細菌感染しやすくなる可能性があります。イヤホン・補聴器・耳栓は機器の性能に影響が出ない範囲で使用前後で消毒や清掃を行い、清潔を保ちましょう。
また、長時間の使用は避け、適宜休憩をとりながら使用しましょう。
主な関連する病気
外耳炎に合併する可能性がある病気
- 中耳炎
- 外耳道真菌症
- 外耳道湿疹
- 外耳道狭窄
受診目安
医療機関が開いている時間帯に速やかに受診
- 耳のかゆみや痛みが続いている
- 耳の聞こえが悪くなった
- 耳漏がある
- 耳や耳垢が臭い
「対処法を調べる」監修医師

こうだたかゆき
神田貴行医師
日本小児科学会専門医/博士(医学)
島根大学医学部臨床教授
コンサータ登録医
鳥取大学医学部卒業後、小児科医として16年間病院勤務、11年間発達障害児対応クリニック院長を務めた。現在は小児科を中心にオンライン診療等を行うフリーランス医師としても活動中。
この記事は医師監修のもと、ファストドクター株式会社が制作しています。