食中毒について
監修医師:神田貴行 先生(小児科医)
食中毒
ポイント
1
食中毒の主な原因は細菌・ウイルス・寄生虫
食中毒は主に、細菌やウイルスが付着した食品や、寄生虫が寄生した食品を食べることなどで症状があらわれます。
細菌やウイルスは肉眼では見えないものの、生活のあらゆる場所に潜んでいます。
食品そのものが汚染されていたり、手を介して広がったりし、それらが口から体内へ入ることで発症します。
ポイント
2
食中毒は通年発症する
食中毒の原因は季節などによって異なりますが、通年発症する可能性があります。特定の時期だけに気をつけるのではなく、年間を通して注意が必要です。
- 細菌による食中毒は6〜8月に流行しやすい
細菌は高温多湿で増殖しやすいため
- ウイルスによる食中毒は11月〜3月に多く起こる
ウイルスが低温・乾燥している環境で活発になりやすいため
- アニサキスなどの寄生虫による食中毒は通年発生する可能性がある
10〜12月に多く発生すると言われていますが、アニサキス等が寄生した魚を食べることが原因のため
ポイント
3
嘔吐・下痢は我慢しない
食中毒に特効薬はありません。一番の治療法は、脱水にならないようにしながら、嘔吐や下痢によって原因菌やウイルス、寄生虫を早く体外に出すことです。そのため嘔吐や下痢は我慢をしないようにしましょう。
ポイント
4
脱水症状になりやすい
激しい嘔吐や下痢の症状があるときは、脱水症状をおこしやすいです。
一般的に、吐き気の症状は最初の6時間がピークとされています。最後に嘔吐してから1〜2時間経ち、少し元気が出てきたら水分補給をし始めるタイミングです。少量から水分摂取を開始しましょう。
それ以降も嘔吐が続き水分がとれない場合は脱水症状に要注意です。
こどもは低血糖にも要注意
こどもは脱水症状だけでなく、低血糖にもなりやすいです。年齢や体格にもよりますが、半日以上水分や食事を摂取できなくなると、低血糖を起こす可能性があります。嘔吐が続く場合は早めに受診をし、水分や食事がとれるようにしましょう。
もし低血糖になった場合、病院での治療が必要になります。以下のような様子が見られたら早めに受診しましょう。
低血糖のサイン
- ぐったりしている
- 起き上がれない
- 顔色、唇の色が悪い
- いつも以上に空腹を訴える
- 頻繁にあくびをする
- 手足が震えている
知っておこう代表的な食中毒
細菌性食中毒の代表
O157
- 牛などの家畜の腸内に存在する菌
- 生や加熱不十分な牛肉が原因となりやすい
ウェルシュ菌
- ウェルシュ菌は土の中や人、動物の腸管内など空気が少ないところに存在する菌
- 粘度の高い煮込み料理の冷める過程で繁殖しやすいく、一度発生すると加熱では死滅しないため、調理中は鍋底へも空気を送るように混ぜることが必要
カレー、シチューが原因となりやすい
カンピロバクター
- 鶏、豚などの家畜の腸内に存在する菌
- 生や加熱不十分な鶏肉・豚肉が原因となりやすい
サルモネラ菌
- 加熱不十分な卵が原因となりやすい
ウイルス性食中毒の代表
ノロウイルス
- ノロウイルスに汚染された食品によって感染
冬の二枚貝が原因となりやすい
食中毒の対処方法
菌を出し切るために嘔吐・下痢は我慢しない
食中毒の一番の治療法は、脱水にならないようにしながら、嘔吐や下痢によって原因菌やウイルス、寄生虫を早く体外に出すことです。そのため嘔吐や下痢は我慢しないようにしましょう。
自己判断で薬は飲まない
下痢止めや吐き気止めを自己判断で使用しないでください。
原因菌やウイルスを体に留めてしまうことになり、治るまでの時間が長引く可能性があります。
症状がつらい場合は医療機関を受診しましょう。
こまめな水分補給
嘔吐や下痢が続くと脱水症状を起こしやすくなるため、無理のない範囲で水分補給をおこないましょう。一度にたくさん飲むと吐き気が強くなる可能性があるため、少量ずつこまめにとる方が良いでしょう。
吐き気が強く水分がとれないようであれば一度医療機関を受診しましょう。
症状がつらいときは受診を
食中毒を発症すると、主に以下の症状があらわれる可能性があります。
・発熱・腹痛・嘔吐・下痢
症状がひどい、つらいと感じる場合には受診しましょう。
食中毒は命に関わる場合があり、とくに、こどもや高齢者は重症化しやすいため注意が必要です。
受診目安
119 救急車を要請
- 意識が朦朧としている
- 呼吸が苦しい
- 身動きが取れないほどの腹痛
- 唇が青白い、もしくは紫色でぐったりしている
救急車を検討・昼夜を問わず救急外来へ
- 39℃以上の高熱が3日以上続いている
- 尿の量や回数が極端に少ない
- ぼーっとしていて元気がない
- なんとか身動きはとれるが、強い腹痛が続いている
- 血便が続いている
医療機関が開いている時間帯に速やかに受診
- 嘔吐により水分がとれない
- 症状がつらい
- 1週間以上下痢や腹痛の症状が続く
「対処法を調べる」監修医師

こうだたかゆき
神田貴行医師
日本小児科学会専門医/博士(医学)
島根大学医学部臨床教授
コンサータ登録医
鳥取大学医学部卒業後、小児科医として16年間病院勤務、11年間発達障害児対応クリニック院長を務めた。現在は小児科を中心にオンライン診療等を行うフリーランス医師としても活動中。
この記事は医師監修のもと、ファストドクター株式会社が制作しています。


