下痢について
監修医師:神田貴行 先生(小児科医)
下痢
下痢の原因はさまざま
下痢の原因はさまざまです。
主に腸の病気や感染症、薬の副作用、食生活の乱れなどが挙げられます。
下痢は腸の動きや状態に異常が起こり、水分の吸収が十分におこなわれないことで生じます。
脱水症状に注意
腸の水分を吸収する機能が低下すると、軟らかい便や下痢が生じます。
その結果、普段よりも水分が多く体外へ出てしまいます。
下痢になると脱水症状を起こすことがあるため、こまめな水分補給と適切な食事で予防することが大切です。
こどもと高齢者は脱水症状を起こしやすい
体の水分量は年齢によって異なり、こどもは体の70%、大人は体の60%、高齢者は50%と言われています。
一見こどもは水分量が最も高く、脱水症状の心配は少ないように見えますが、大人よりも代謝がよく、体の水分調節をする機能が未熟なことから脱水症状を起こしやすいです。
また、高齢者は体内の水分量が少なく、脱水症状を起こしやすいです。
高齢になると食事量が減り、食事を通じた水分摂取量が減少することや、のどの渇きを感じにくいことなどから、脱水症状を自覚しにくいという特徴があります。
目安は2週間!長引くようなら受診を
細菌やウイルス感染などによる急性の下痢は、適切に対処していれば2週間程度でよくなることがほとんどです。
2週間以上下痢が続く場合は、他の原因が隠れている可能性もあるため、医師の診察を受けましょう。
また、2週間経たずとも脱水症状や体調の悪化があれば受診してください。
下痢止めの使用に注意
下痢には体の外へウイルスや細菌を出す作用もあります。
下痢止めを使用することでウイルスや細菌が排出できず体調が悪化する可能性も。
自己判断で下痢止めを使用することは避けましょう。
こどもは便の観察を
こどもの下痢では、便の様子を観察すると緊急度の判定や診察で役立ちます。
便の色や形、匂いを確認しましょう。「気になる」と思ったら、写真を撮影したり、おむつを病院へ持参し受診時に医師へ見せるとよいです。
便の色
| 赤 | 直腸や肛門周辺で出血している可能性 |
| 黒 | 胃や腸で出血している可能性 |
| 緑 | 胆汁の排出に異常がある可能性 |
| 白 | 胆汁の排泄が十分でない可能性 |
便の形
| 普通便 | 適度な軟らかさの便 |
| やや軟らかい便 | 水分が多く非常に軟らかい便 |
| 泥状便 | 形のない泥のような便 |
| 水様便 | 水のような便 |
便の匂い
普段と違う匂いの場合、なんらかのウイルスや菌に感染している可能性があります。
※匂いによる原因の特定は難しいです
- 酸っぱい匂い
- 腐ったような匂い
下痢の対処
こまめに水分補給を
下痢のときはこまめに水分補給をおこない脱水症状に注意しましょう。
脱水症状の予防に効果的なのは…
経口補水液
麦茶、スポーツドリンク、ジュース
オレンジジュース
酸味が刺激となり、口の中やのどの痛みが強くなったり嘔吐を引き起こしやすくなります。
脱水症状のサインを見逃さない
脱水のサイン
尿や便の様子から脱水のサインを確認しましょう。
- 尿の回数が少ない
- 尿の量が少ない、色が濃い
受診が必要な症状
以下の症状がある場合は脱水症状が疑われるため、速やかに受診してください。
- 尿の量や回数が極端に少ない
- 泣いているのに涙が出ない(こどもの場合)
- 皮膚にハリがない(皮膚をつまんで離したとき戻りにくい)
- 皮膚が乾燥している
- 両目がくぼんでいる
- ぐったりしている
- ぼーっとしている
脱水症状が危険な理由
脱水症状になると、体内の水分や電解質という物質が減ります。 電解質に含まれるナトリウムやカリウムが体内から減ると、体のバランスが崩れ、病気につながったり、病気が重症化するきっかけになってしまいます。そのため脱水症状を未然に防ぐこと、脱水症状の兆しに気づくことが大切です。
消化によい食事をとる
下痢の間は腸の機能が低下しているため、消化がよく、腸への刺激が少ない食事をとりましょう。
おすすめの食べ物
- おかゆ
- 軟らかく煮たうどん
- 軟らかく煮た野菜
- 温かいスープ
- 白身魚
- りんご
- バナナ
避けた方がよい食べ物
- 繊維の多い野菜
- 海藻
- きのこ
- 芋
- 辛いもの
- アルコール
- 炭酸飲料
- 冷たいもの
下痢によるおむつかぶれを防ぐ
おむつを使用している場合、
・頻回な下痢が肌に付着すること
・おむつ内が蒸れること
・便を拭き取るために皮膚を擦ること
でおむつかぶれを起こしやすくなります。
かぶれがひどい場合には、肌におしっこやうんちがふれるだけで痛くて泣いてしまう子もいます。
おむつをしていて下痢になってしまった場合や、おむつかぶれを予防したい場合は次のように対処しましょう。
うんちが出た後は洗い流す
おむつかぶれを起こす要因の一つは、肌を擦ることです。
意図していなくとも、頻回な下痢でのおむつ替えは赤ちゃんの肌を傷つけてしまう原因になります。
うんちが出たときには、お風呂場でシャワーを使用したり、ネットで購入できるシャワーボトルなどを用いてうんちを洗い流してあげましょう。
水気を拭き取るときはタオルでポンポンと優しく押し取りましょう。
おむつを履かせる前によく乾かす
おむつかぶれを起こす要因には、おむつ内のムレもあります。
ムレることで肌がふやけ、少しの刺激でもかぶれやすくなってしまいます。
おむつを履かせる前には、うちわなどを用いて軽くおしりの皮膚を乾かしてあげましょう。
保湿する
乾燥している肌は、さらに傷つきやすくなります。
おむつかぶれによる傷がなければ、おむつを履かせる前に保湿してあげるとよいでしょう。
ただし、保湿剤を塗りすぎるとおむつのムレにつながるのでベタつかない程度がよいでしょう。
おむつかぶれによる傷がある場合は、医師に相談しましょう。塗り薬などで治療できる場合があります。
感染症が原因かも。家庭内予防を忘れずに
ウイルスや細菌感染が原因で下痢が起きている場合、家庭内の感染予防も大切です。 アルコールが効きにくいウイルスも存在します。
手洗い・うがいや、次亜塩素酸ナトリウムを用いた消毒をおこないましょう。
次亜塩素酸ナトリウムで消毒を
下痢の原因には、ノロウイルス・ロタウイルス・アデノウイルスなど、アルコール消毒が効きにくいウイルスが存在します。対策として次亜塩素酸ナトリウムで消毒をしましょう。 次亜塩素酸ナトリウムを含む消毒液はドラッグストアでも購入できます。
台所用の液体塩素系漂白剤でも代用が可能です。
使用する場合は必ず薄めて使用し、直接肌にふれることがないように注意してください。
手洗い・うがいで対策
基本的な感染予防対策はうがいと手洗いです。 アルコール消毒が効きにくいため、アルコールシートでは対策しきれません。
流水と石鹸でこまめに手洗いをおこないましょう。
受診目安
救急車を検討・昼夜を問わず救急外来へ
こども
- 水分がとれない
- 尿の量や回数が極端に少ない
- 尿が濃い
- ぼーっとしていて元気がない
- 泣いているのに涙が出ない
- 黒い下痢が続く
- 赤い下痢が続く
- 顔色が白い(悪い)
- 便に膿が混ざっている
- 強い腹痛がある
大人
- 水分がとれない
- 尿の量や回数が極端に少ない
- 尿が濃い
- 黒い下痢が続く
- 赤い下痢が続く
- 便に膿が混ざっている
- 強い腹痛がある
下痢症状
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診察前に以下の注意事項をご確認ください
- オンライン診療で対応が難しいと医師が判断した場合、対面診療をご案内する場合もあります。(その場合、診察料は請求いたしません)
- お薬の処方は医師の判断によります。
- 全国エリアで対応していますが、医療機関がない離島在住の方はご利用になれません。
「対処法を調べる」監修医師

こうだたかゆき
神田貴行医師
日本小児科学会専門医/博士(医学)
島根大学医学部臨床教授
コンサータ登録医
鳥取大学医学部卒業後、小児科医として16年間病院勤務、11年間発達障害児対応クリニック院長を務めた。現在は小児科を中心にオンライン診療等を行うフリーランス医師としても活動中。
この記事は医師監修のもと、ファストドクター株式会社が制作しています。


