後遺症が恐ろしい「髄膜炎」。生後2カ月からワクチン接種可能
【症状】
髄膜炎の原因となる細菌は13種類以上もあり、健康な人の鼻や喉の粘膜にも存在しています。体力が低下している時に細菌が血液の中に入ると、脳を包み保護している髄膜に感染し、炎症を起こします。
初期は、発熱や吐き気、頭痛など風邪のような軽い症状ですが、12~20時間ほど経過すると、皮下出血や発疹など、普段見られない症状が現れます。
症状の進行はとても早く、たった数日放っておくだけでけいれんを起こしたり、ひどければ意識がなくなったりするケースもあります。
【検査・治療】
髄膜炎は、髄液を取って検査することで診断がつきます。結果が出るまで3~7日かかるので、その間は抗生剤や点滴を中心に治療が行なわれます。
原因菌がわかり次第その菌に効く抗菌薬を使用し治療を行いますが、薬の効果がない耐性菌が増えているため、脳障害や後遺症が残ってしまうことも多くあります。
髄膜炎はワクチンで防ぐことができる病気です。ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンで予防しましょう。
【ホームケア】
高熱・嘔吐など風邪に似た症状が現れます。脱水症状にならないように注意しましょう。
病気の進行がとても早いので、普段と違う症状を見落とさないよう気をつけてください。気になる症状があった場合は早急に病院を受診しましょう。
【潜伏期間 感染経路】
潜伏期間1~14日の間に発症し、短期間で症状が悪化します。
感染経路としては、飛沫感染が特に多いとされています。健康な人も持っている細菌がくしゃみや咳などを通してうつります。
【かかりやすい時期・年齢】
健康な人でも持っている細菌ですので、発症のタイミングは様々です。
日本脳炎ワクチンの標準的な定期接種対象年齢(3〜5歳)に合わせて、髄膜炎菌ワクチンの接種も検討しましょう。
【注意点】
低月齢の発熱では髄膜炎が疑われます。
ワクチン導入前と比べると髄膜炎の発症はずいぶん減少していますが、3ヶ月未満のお子さんが発熱した際は早急に受診しましょう。
早期に治療を行なっていても致死率が5~10%と高く、無治療の場合は50%にもなるとても危険な病気です。