Language

記事

  1. ホーム
  2. 記事一覧
  3. 医療従事者以外は正解率20%!「正しいマスクのつけ方」

医療従事者以外は正解率20%!
「正しいマスクのつけ方」

連載「今こそ知りたい、感染症予防」
ここ最近、新型コロナウイルス関連のニュースを目にしない日はありません。
感染拡大防止のためにイベント自粛も呼びかけられているいま、きちんと感染症予防に取り組むことは大人のマナーです。
そこで本連載では、医師監修のもと、数回にわたり感染症予防の基礎をおさらいします。

【テスト】正しいマスクの装着法

突然ですが、この二枚の写真のうち正しくマスクをつけられている方はどちらだと思いますか?

注目すべきはマスクの紐とノーズワイヤーの部分。

正しくマスクをつけられている人は、紐とノーズワイヤーが外側に出る形になるのです。つまり、正解は右側の写真です。紐とノーズワイヤーが外に出ている分、マスク面が肌に密着するため、隙間がなくなって防御率が高まるそうなんです。

社内でもこっそり確認してみたところ、その場にいた人の中で正しくマスクをつけていたのは18人中4人のみでした (4人のうち2人は医療従事者)。つまり、過半数以上の人が裏表逆にマスクを装着していたのです。

筆者も毎年春になると、花粉症でマスクが欠かせませんが、何十年も裏表逆につけてしまっていたことに驚きました。手持ちのマスクのパッケージの写真を確認してみると、確かに紐とノーズワイヤーが見える部分が表になっていました。

※マスクの種類によって装着法が異なります。
商品ごとに正しい着用方法をご確認ください。

せっかく装着するなら少しでも防御率を上げたいところです。ぜひ今一度、お手持ちのマスクのパッケージを見直してみてください。

こんなマスクの扱い方は逆効果

またマスクの扱い方によっては、感染症予防の効果が半減したり、逆効果になるケースもあるといいます。ついやってしまいがちな3つのパターンを紹介しましょう。

おしゃべりマスク

医療の現場では、一度外したマスクは再使用しないというのが基本です。

なぜならマスクの表面には吸着されたウイルスや菌が付着している可能性が高く、取り外しの際に手に付着することを防ぐためです。
マスクの取り外しの際にはフィルタ部分を触らずに紐を持って取り外し、マスクを外したら捨てるようにすることが徹底されています。

それくらい厳格に取り扱わないとマスクをする意味はないのです。

しゃべりにくいからといって頻繁につけ外しするくらいなら、マスクをせずに手洗いを徹底した方がよいでしょう。

鼻掻きマスク

感染症予防において、マスクをすることで飛沫感染を防ぐことができます。ですが、接触感染はマスクで防ぐことはできません
接触感染とはウイルスのついた手で口や鼻の粘膜を触ることで感染することです。

人は無意識のうちに鼻を触ることがあるため、知らずのうちに接触感染してしまう可能性が高いのです。
マスクをつけるとしっかり予防できている気になりがちですが、痒くなったり鼻をかみたくなって、ウイルスのついている手で触ってしまうとNG!
 基本的なことですが、常にマスクをつけることよりも、ウイルスが付着しているかもしれない手をこまめに洗うことが重要です。

置きっ放しマスク

マスクを放置していると、マスクに付着したウイルスや花粉等が撒き散らかされる可能性があります。
ウイルス等を周りにばら撒かないよう、フタつきのゴミ箱を使ったり、袋に入れて破棄するなどの配慮が必要です。

特に新型コロナウイルスが話題になって以降、路上や公共の場に置きっ放しにされているマスクが急増しています。
その数は例年に比べて2倍ほどに増えているといわれています。

周りの人のためにも、マスク使用者のエチケットとして心に留めておきましょう。

感染症予防にはマスクよりも手洗い

現在マスクの買占めや欠品が問題となっていますが、消費者庁はマスク不足を解消するため官民連携して毎週1億枚以上のマスクを消費者に届けると発表しています。

出典:厚生労働省 新型コロナウイルス感染症対策ポスターより抜粋

そしてこう呼びかけています。

感染症の拡大の効果的な予防には、風邪や感染症の疑いがある人たちに使ってもらうことが何より重要です。”

インフルエンザやコロナウイルスなど実際に感染している人が一度くしゃみをすると数百万、咳でも数十万のウイルスが飛散するといわれていますが、マスクをすることで飛散するウイルスを大幅に減らすことができます。

どちらかといえば、マスクは感染症予防というより、感染拡大を予防するために必要なものなのです。

症状のない人は、マスクがないからといって慌てることはありません。こまめに石鹸で手を洗い、アルコール消毒をすることではじめて予防につながるのです。

監修_医師・ファストドクター代表 菊池 亮

文_諫山由梨子