蜂窩織炎とは?初期症状や入院基準、何科に受診するのかについて

公開日: 2024/02/05 更新日: 2024/04/02
蜂窩織炎(ほうかしきえん)は、細菌が皮膚の下に入り込むことによって患部が熱間・痛みをもって赤く腫れる皮膚の病気で、基本的には皮膚科で受診します。 進行が早く、重症化すると敗血症にもつながることがあるため実は恐ろしい病気です。 自然に治る病気ではないため、早めに蜂窩織炎と気付いて病院に受診し、治療を開始することが重要と言われています。 この記事では、蜂窩織炎の初期症状、見分け方、治療方法、入院についてなど、蜂窩織炎に関するあらゆる疑問にお答えします。
皮膚に少しでも異常を感じたら

蜂窩織炎(ほうかしきえん)は重症化すると壊死してしまったり、敗血症となってしまう場合がある怖い病気です。

「もしかしたら蜂窩織炎かもしれないけど判断がつかない...」「何の病気かわからないけどとにかく皮膚が変」

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目次

蜂窩織炎とは?症状や重症化ケースについて

蜂窩織炎(読み方:ほうかしきえん)は、細菌が皮膚の下に入り込むことによって感染する皮膚の病気です。

蜂巣炎(ほうそうえん)とも呼ばれることもあります。

蜂窩織炎の症状

皮膚にあらわれる初期症状

蜂窩織炎の初期症状では、皮膚に

  • 赤み
  • 腫れ
  • 熱感
  • 痛み

などの症状が現れます。

これらの症状は、細菌の感染から体を守ろうとする反応によって引き起こされます。

さらに感染がひどくなると、膿が出る、皮膚潰瘍などの症状が現れます。

全身に現れる症状

初期症状の後、半日~2日くらいで急に広がり

  • 発熱
  • 頭痛
  • 悪寒
  • 関節痛

などの全身症状を伴ってきます。

実は恐ろしい蜂窩織炎の重症化ケース

蜂窩織炎の恐ろしいところは、放っておくと重症化することがあることです。

重症化すると菌血症や壊死性筋膜炎などから、敗血症となることがあります。

敗血症にかかると多臓器不全などから死に至るケースも多く、日本国内でも年間約6万人の敗血症による死者が出ているとの報告もあります。[1]

そのため、皮膚が赤くなり痛みが出てくるなど、気になる症状が現れたときは病院の受診しましょう。

関連記事:蜂窩織炎(ほうかしきえん)の恐ろしさとは

症状が出やすい部位(好発部位)

蜂窩織炎が発生しやすい部位は、足のすねの部分や甲など、下肢(股関節より下)です。

しかし、体のどこにでも生じる可能性があり、顔や足の指、さらにはヘソの周りにも症状が出ることもあります。

蜂窩織炎の見分け方

蜂窩織炎の初期症状は、虫さされや壊死性筋膜炎などと似ているため、医師でも見分けが難しいといわれているのです。

皮膚が赤く腫れただけなら虫さされの可能性もありますが、しばらくして痛みが出てきた場合は、蜂窩織炎の可能性が高まります。

また、時間が経過するにつれて痛みの範囲が広がっていく場合は、壊死性筋膜炎の疑いがあります。[2]

まずは病院で診察することが第一ですが、少しでも気になる症状が続く場合は、早めに再診しましょう。

蜂窩織炎の原因

蜂窩織炎の主な原因は、一般的にブドウ球菌とレンサ球菌です。

(※他にも大腸菌や緑膿菌などの細菌も蜂窩織炎の原因となります。)

ブドウ球菌は、にきびや水虫等に生息しており、食中毒の原因にもなる細菌です。

レンサ球菌は、のどや皮膚などに生息している細菌で、別名「人食いバクテリア」とも呼ばれています。[3]

このような細菌は普段から皮膚などに生息していますが、体内には細菌を侵入させない免疫機能があるため、通常は感染症となることはありません。

しかし、

  • 免疫力や抵抗力が下がり、細菌の侵入されやすくなっている
  • 皮膚の傷や炎症があり、細菌が入り込みやすくなっている
  • 皮膚が不潔な状態で細菌が増殖している

などが原因で、蜂窩織炎として発症しやすくなります。

抵抗力の弱いこどもは特に注意

抵抗力が弱い子供は、小さな傷(虫さされなど)から蜂窩織炎になることがあります。

子供は症状の訴えが少ないことがあるので、ただの虫さされとして見落としてしまうことがあります。

症状自体に大人と子供で違いはありませんので、お子さんに発熱や皮膚の赤みなど蜂窩織炎と疑わしき症状が見られた場合は、念のため診察を受けるようにしましょう。

コロナワクチンとの関係性は?

コロナワクチンと蜂窩織炎の因果関係については、今のところはっきりしていません。

ただ、免疫力の低下が蜂窩織炎の要因の1つですので、もし仮にコロナワクチンによって免疫力の低下が見られる場合は、蜂窩織炎の発症リスクが高まっていると言えます。

後述しますが、蜂窩織炎は基本的に抗菌薬による治療となりますので、自然治癒を期待して治療しないと症状が悪化します。

ワクチンとの直接的な関係性については不明ですが、引き続き免疫力を高める努力をすることが重要と言えます。

蜂窩織炎の診断と検査内容

基本的には皮膚科を受診

蜂窩織炎の診断は、基本的には皮膚科が推奨されています。

しかし、幅広く見られる一般的な感染症のため、内科、外科、整形外科、小児科でも正しい診断と治療を受けることができます。

検査内容は問診や触診

検査内容は基本的に、問診、局所の触診・視診などになります。

しかし、蜂窩織炎と似た症状の病気と見分けるために、行う検査が変わります。

誤診を防ぐためにも様々な検査を

蜂窩織炎と痛風の誤診を防ぐために、尿検査を行うことがあります。

尿酸値が正常であれば痛風の可能性は低くなり、蜂窩織炎の疑いが高まるためです。

また、蜂窩織炎では体内で起こった感染によって炎症が起こるため、血液検査を行うことがあります。

血液検査で白血球数(WBC)の数値が上昇していれば、蜂窩織炎の疑いが高まります。

しかし、他の病気でも同様の症状が現れることがあるため、血液検査の結果だけで断定する事はできません。

いずれにしても、様々な検査を行うことで、蜂窩織炎よりも重篤な危険性のある病気と見分けることができます。

皮膚の異常に加えて熱は出ていませんか?

蜂窩織炎だった場合、早めに抗生剤で治療することが重要です。

皮膚に異常がある場合は24時間スマホで診察ができるファストドクターにご相談ください。

ファストドクターのオンライン診療では過去にも蜂窩織炎の診察例があり、抗生剤を自宅にお届けすることが可能です。

すぐ治るだろうと思わず、まずは気になる症状だけでも気軽に相談してみませんか?

蜂窩織炎の治療法や治療期間

蜂窩織炎は細菌が原因なので、治療には抗菌薬を使います。

抗菌薬は、点滴または飲み薬でも治療することができます。

治療期間は5日間~14日間

一般的に、蜂窩織炎の治療期間は5日間~14日間となります。

治療する期間は、炎症の程度、治療を始める時期、免疫力、回復力などによって違ってきます。

場合によっては1ヶ月以上の長期間薬を服用することが必要なこともあるでしょう。

注意点としては、自己判断で薬を服用するのを止めないことです。

症状が出なくなっても、体の中にはまだ細菌が残っている場合があります。

完全に治るまでは、決められた期間薬をしっかりと服用し続けましょう。

入院する必要があると判断される基準

蜂窩織炎の治療は基本的に通院で十分にできますが、症状が重い場合は、入院して治療が必要な場合があります。

蜂窩織炎で入院が必要と判断されるのは、以下のような基準となります。

  • 高熱が継続する
  • グッタリして支障が日常生活にある
  • もともと持病があって感染が重くなる可能性がある
  • 飲み薬だけではなかなか回復しない
  • 症状が重く安静が必要である

また、免疫不全や糖尿病などの場合も症状が重くなりやすいため、入院治療を受けることもあります。

熱感と赤みを冷やし、入浴は控える

家庭で蜂窩織炎をケアする際には、以下の内容を行うようにします。

  • 安静にする
  • 熱感と赤みのある部分を冷やす
  • 患部を心臓の位置より高くする

なお、入浴は禁止ではありませんが、お風呂で温まって血行が良くなると症状が悪化することがあります。

痛みや炎症が続いている場合は、シャワー浴にしましょう。

蜂窩織炎は基本的にうつることはない

蜂窩織炎は皮膚の深いところで菌が繁殖して起きる病気です。

また、その原因菌は普段から触れているものが多いのです。

そのため、蜂窩織炎は空気感染はせず、腫れている部分を触ってもうつることはありません。

ただし、膿が出ているところを直接触るとうつる可能性はありますので、できるだけ触れないようにしましょう。

蜂窩織炎の予防方法や再発の可能性

蜂窩織炎を繰り返す理由

蜂窩織炎は、一度完治しても再発する可能性があります。

蜂窩織炎を起こすと腫れた部分の血液の流れが滞り、リンパの流れが悪くなるため、同じ場所に再発しやすくなります。

再発する確率は高くはありませんが、蜂窩織炎になったらきっちりと完治させ、予防を意識するようにしましょう。

蜂窩織炎の予防方法

蜂窩織炎を防ぐためには、原因となる菌を体に侵入させないこと、そして免疫力を高く保つことが大切です。

  • 入念に手の指や足の指を洗う
  • 切り傷や擦り傷などの皮膚の傷を保護する
  • 水虫などの皮膚の病気は治す

上記のことに気をつければ、蜂窩織炎の予防になります。

また、炎症が悪くならないようにするには、安静にすることが大切です。

無理や過労は避け、飲酒は控えるなど、免疫力を高める行動を心がけましょう。

 

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特に蜂窩織炎だった場合は放置して重症化してしまうケースもみられるため。些細な症状でも是非ご相談ください。

参考文献

[1]ビッグデータが明らかにする日本の敗血症の実態―超高齢社会の新たな課題―|千葉大学

[2]壊死性筋膜炎|法月 正太郎(自治医科大学感染症科フェロー)

[3]劇症型A群レンサ球菌感染症(いわゆる人食いバクテリア症)|愛知県衛生研究所

記事監修
  • 名倉 義人
    救急科専門医

    ・平成21年 名古屋市立大学医学部卒業後、研修先の春日井市民病院で救急医療に従事 ・平成23年 東京女子医科大学病院 救急救命センターにて4年間勤務し専門医を取得 ・平成27年 東戸塚記念病院で整形外科として勤務 ・令和元年 新宿ホームクリニック開院

    日本救急医学会、日本整形外科学会

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