気管支炎の特徴・症状と治療法について【医師監修】

公開日: 2024/02/05 更新日: 2024/02/05
このページでは、気管支炎の症状や治療法、今すぐ医師に相談したい場合の方法についてお伝えしています。

気管支炎について

気管支炎の特徴・要因・症状

気管支炎の特徴

気管支炎というのは、左右にある気管から分かれた気管支に炎症が起きるものです。
気管支炎は、大きく分類すると急性気管支炎と慢性気管支炎に分けられ、それぞれ要因も違っています。

気管支炎の要因

急性気管支炎の場合は、ウイルスのアデノウイルスやインフルエンザウイルスなどに感染して、風邪が起きて弱くなった気道にインフルエンザ菌、肺炎球菌、連鎖球菌の細菌やウイルスなどの二次感染が起きて発症します。

痰が緑色や黄色の場合は気管支炎に感染している疑いがあるので、抗ウイルス薬や抗生物質などが処方されます。

治療を適切に行うと割合軽く済む場合が多くありますが、咳や発熱などが長く続いた場合は肺結核や肺炎、胸膜炎を併発している場合があるため注意しましょう。

また、気管支炎の場合は、同じような症状の多くの病気があるので、はっきりと見極めるためにレントゲ検査や血液検査によって調査する場合もあります。

急性気管支炎が進んでもまず慢性気管支炎にはならないため、栄養、睡眠、休養を十分に心がけるようにしましょう。

慢性気管支炎は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)で、ほとんどの要因は喫煙であるとされています。

これ以外の要因としては、細菌やウイルス、大気汚染物質の硫化物や一酸化炭素など、公害、ガスが出るところやほこりっぽいところで仕事をする職業も可能性があります。

また、成長期に非常に良くない栄養状態の場合は、よくCOPDになるそうです。

咳が風邪を引いていないが出たり、いつまでも継続したりすると、重い症状になるリスクもあるため、医師に早めに相談して治療しましょう。

気管支炎の症状

気管支炎の症状としては、最も咳が代表的なものでしょう。

風邪を引いた際にも、咳が出たり喉が痛かったりしますが、気管支炎の症状も非常にこれと似ています。

気管支炎の場合は、乾いた咳が初めに起きて、だんだんと湿った咳に変わります。

咳は、体を防御する反応で、異物が空気の通り道にあるものを排除するもので、普通は気管支炎の症状として現れます。

呼吸する際に、喘鳴が起きる場合もあります。

肺炎になれば、38℃以上の発熱、痰・咳、全身倦怠感、呼吸困難が場合によっては起きます。

風邪が治ってから喉の痛みや熱は無くなったが、何週間も痰や咳が継続するようなことがあります。

このような場合は、他の肺疾患を併発していたり、アレルギー素因がもともと何かあったりすることが多くあります。

そのため、胸部レントゲン検査やアレルギー検査が必要になります。

気管支炎の診断と検査

気管支炎を診断する際は、主として、痰、咳というような臨床症状から判断します。

発熱を伴う場合も多くありますが、一般的に、身体所見があまりなく、症状が軽い場合が多くあります。

しかし、自覚症状として発熱などが長引くようであれば、肺炎の併発を確認する必要があるので、胸部レントゲン検査あるいは胸部CT検査によって影が現れていないかを調べることが必要です。

二次感染が細菌によってあれば、痰の量が多くなって、膿性の性状になってきます。

気管支炎の治療法

急性気管支炎であると病院で診断された場合は、薬が症状によって処方されます。

酷い咳の場合は鎮咳薬、多く痰が出る場合は去痰薬などというように、急性気管支炎がウイルス感染によるものである疑いがある際の治療のメインは対症療法になります。

しかし、大量に緑色や黄色の痰が出る場合などは、二次感染が細菌によって起きている疑いがあります。

このような場合は、咳が止まると細菌が排出されなくなるため、処方されるのは鎮咳薬ではなく抗菌薬の場合もあります。

また、急性気管支炎の場合は、治療を特に行わなくても自然に治る場合もあります。

そのため、ちょっと風邪が長くなったのだろうと考えて、急性気管支炎になっていたのが自分で分からない場合もあります。

急性気管支炎は、一般的に、数日間~数週間で治ると言われていますが、痰や咳が1ヶ月以上継続する場合も中にはあります。

このような場合でも、診断で急性気管支炎になるのは90日間が目安になります。

なお、細菌やウイルスが感染することよって慢性気管支炎に急性気管支炎がなる場合はないとされているので、痰や咳が90日間以上継続する際は、これ以外の慢性気管支炎などの疾患の疑いがあります。

気管支炎の予防

気管支炎を予防するためには、インフルエンザや風邪を予防する必要があります。

流行期には、しっかりとうがいや手洗いを行ったり、マスクをつけたりしましょう。

また、予防接種のインフルエンザワクチンを受けるのも効果が期待できます。

気管支炎の要因に喫煙はなり、病気が早く進むため、禁煙がおすすめです。

免疫力をアップするためには、ストレスを無くして、いいバランスの食事を摂るようにしましょう。

特に、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEは、免疫力がアップするため食事に上手に取り入れましょう。

記事監修
  • 名倉 義人
    救急科専門医

    ・平成21年 名古屋市立大学医学部卒業後、研修先の春日井市民病院で救急医療に従事 ・平成23年 東京女子医科大学病院 救急救命センターにて4年間勤務し専門医を取得 ・平成27年 東戸塚記念病院で整形外科として勤務 ・令和元年 新宿ホームクリニック開院

    日本救急医学会、日本整形外科学会

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