新型コロナウイルス 子どもの症状は? 受診の目安や感染後のケアについて
- 子どもがコロナに感染してしまったかも
- 子どもを連れて受診するのは大変
コロナの感染や受診に不安があるなら、ファストドクターのアプリをダウンロードしていざというときに備えておきましょう。
アプリをダウンロードしておけば、24時間365日すぐに往診(自宅で診察)またはオンライン診療の依頼をすることができます。また電話よりも優先的に繋がります。
症状が出ると慌ててしまうもの。 落ち着いているときにダウンロードして備えておくのがおすすめです。
オミクロン株で子どもの感染者が急増
第5波までの新型コロナウイルス感染症の流行では、子どもの感染者数は大人と比べると少なく、重症化するケースもまれであるとされていました。
しかし、第6波以降ではより感染力の強いオミクロン株への置き換わりが進んだこと、そしてワクチン接種や感染により大人の免疫保有者が増加したことを背景に、子どもの感染者が増加しました。
2024年第7週(2/12〜2/18)の定点当たり報告数・年代別推移によると、10歳未満の子どもの報告数が最も多くなっています。[1]
また、インフルエンザやアデノウイルス、胃腸炎といったコロナウイルス以外の感染症も流行しているため、救急外来への受診が急増しています。
都内では、子どもの感染者向けの診察室が空かないため、救急車に患者を乗せたまま数時間待つといったケースも発生しており、小児医療や救急医療のひっ迫が問題となっているのです。
入院病床がすべて埋まっている病院もあり、子どもの感染には一層の注意が必要な状況となっています。
子どものコロナの症状について
子どもがコロナにかかったときの症状は、基本的に大人と大きく変わりません。発熱や喉の痛み、咳、鼻水など、風邪と似たような諸症状が現れます。
大人と同様、肺炎になるケースも報告されています。10代患者での報告例もあるものの、嗅覚や味覚の異常を訴える子どもの患者は少ない模様です。
さらに、第6波以降はクループ症候群(※1)や、熱性けいれん(※2)を伴う小児患者も出てきています。
まれな症状として、嘔吐や腹痛、下痢などの消化器症状が現れたケースもあります。
消化器症状が現れる10歳前後の患者の中には、心臓の動きが悪くなるような事例も報告されています。
欧米諸国では、発疹やしもやけのような症状が出たという報告も見られました。
また、子どもの感染者は大人よりも重症化する割合が低いことも大きな特徴です。
しかし、大人同様に呼吸状態が悪くなるケースがあり、 2歳未満の子どもや基礎疾患を持っている子どもは注意が必要です。
極めて少数ながら、死亡例も出ています。2022年5月10日時点の厚生労働省の集計では、10 歳未満で6件、10代で8件の死亡例がありました。
子どもの場合、症状が出ていても本人は正確に訴えられない可能性もあります。大人が注意深く経過観察することが重要です。
※1:特徴的な咳やかすれ声など、感染症によって引き起こされる特定の呼吸症状の症状
※2:6カ月~5歳くらいの小児が急な発熱に伴いけいれんや意識障害や引き起こす病気
受診の目安は?
流行が拡大している時期に子どもに発熱や風邪症状が現れたら、まず新型コロナウイルス感染症を疑ってしまうでしょう。
しかし、まずは周囲の感染状況を確認することが大切です。
学校や保育園でクラスターは発生していないか、居住している地域が流行地になっているか、職場で感染者が発生していないかなどを評価し、受診すべきか冷静に判断してください。
そのうえで、子どもの状態をよく観察します。
高熱が出ている、呼吸が苦しそう、顔色が悪い、食事をとらない、元気がなくぐったりしているといった症状があれば、すぐに医療機関を受診しましょう。
また、小さな子どもが高熱を出した場合は「熱性けいれん」にも注意が必要です。けいれんが続くようであれば、救急外来に相談してください。
一方で、感染が拡大している時期は医療機関がひっ迫するため、受診に何時間もかかる可能性があります。
意識がもうろうとしている、呼吸が苦しそうなど普通の風邪と異なる症状があれば受診が必要ですが、軽症の場合は自宅でゆっくり休養をとったほうがいいという意見もあります。
生後1カ月~6歳までの子どもで時間外診療をするべきか迷ったときは、子どもの救急オンラインを利用すると、判断の目安を確認できます。
ほかにも、子ども医療でんわ相談では「#8000」に電話すると、居住地の小児科医や看護師に受診の相談ができます。必要に応じて、これらのサービスを活用してください。
関連記事:子どもの救急対応の基本、#8000で得る信頼のアドバイス
子どもがコロナに感染したときの治療は?
子どもは、大人に比べると重症化しにくく、軽症で済む場合がほとんどです。そのため、治療としては経過観察や対症療法が選択されることが多くなっています。
医師の判断によっては、解熱剤や咳止めの薬が処方されることもあります。
解熱そのものが治療になるわけではありませんが、子どもの気分を楽にし、ゆっくり休めるようにしたり、飲食しやすくなります。
必要に応じて、処方をお願いするといいでしょう。
子どもは症状の変化が早く、熱が下がった後から咳や下痢などの症状が出ることもあります。
そのため、病院を受診するときは解熱剤だけでなく、咳止めや整腸剤などもあらかじめ処方してもらうといいでしょう。
何度も病院に行く手間が省けるだけでなく、親の感染リスクも下げられます。
処方薬だけでなく、市販の子ども用解熱剤や咳止め、総合感冒薬を使っても問題ありません。子どもに使いやすい解熱剤としては「アセトアミノフェン」がおすすめです。
必ず子ども用の薬を購入し、大人用の薬を子どもに飲ませることは避けてください。
子どもの看病をするとなると、両親ともに濃厚接触者になることは避けられません。外出が困難な場合は、オンライン診療を活用して薬を郵送してもらうといいでしょう。
「子どもを医療機関に連れて行くのは大変」 「感染症が不安でなるべく医療機関に連れていきたくない」
つらい症状に悩んでいるけど、受診できずお困りならファストドクターを頼って下さい。 ファストドクターはオンライン診療または往診(自宅で診察)で家にいながら受診することが可能です。
もちろん、必要に応じて医師が症状にあったお薬を処方させていただくこともできます。
食事の与え方は?
発熱がある時は、子ども用のイオン飲料やスポーツドリンクを飲ませると一時的な体力の回復を期待できます。
ただし、砂糖が多く含まれており、虫歯や食欲不振の原因になりますので、常用は避けてください。
熱があるときのおすすめメニュー・避けたいメニューは、以下を参考にしてください。
おすすめの食品、メニュー
ポタージュスープ、茶碗蒸し、煮込みうどん、麦茶、卵雑炊、煮奴、ヨーグルト、りんご果汁、ゼリー、プリン、など
避けたい食品、メニュー
脂質の多いメニュー(ラーメンや焼肉など)、消化の悪いメニュー(カップラーメンなど)、海草、きのこ、こんにゃく、など
また、喉に炎症が出ていると酸味のある食べ物を嫌がることがありますので、キウイやトマトなどは避けた方がいいでしょう。
のど越しの良いゼリーやプリンなどは、喉が痛くても食べやすく、水分補給にもなりおすすめです。
下痢をしている時は脱水症状を防ぐため、湯冷ましや麦茶、りんご果汁などで水分補給をしてください。吐き気をともなう時は、少量ずつこまめに飲ませることがポイントです。
症状が落ち着いたら、おかゆやうどん、かぶ、豆腐など消化の良い食品を中心に、様子を見ながら少しずつ与えてください。
また、乳児が感染しても必ずしも母乳育児をやめる必要はありません。母親が持つ免疫が母乳を介して乳児に運ばれ、乳児の免疫力向上が期待できます。
母乳育児が可能な状況なのであれば、積極的に母乳を飲ませましょう。
軽症でも母乳やミルクの飲みが悪く機嫌が悪い場合、鼻づまりが原因かもしれません。鼻吸い器などで鼻汁を取ると哺乳しやすくなり、機嫌が回復することがあります。
脱水には十分注意が必要
子どものコロナ感染で特に注意してほしいのが、水分不足による脱水症状です。
高熱や喉の痛みにより十分な水分がとれず、脱水症状を起こして入院が必要になるケースもあります。
新型コロナで入院した生後3カ月の赤ちゃんのケースでは、40度の発熱とおう吐の症状でミルクが飲めなくなり、点滴が必要になりました。
特に夏場は汗の量も増えますので、意識して水分補給を行うようにしてください。
水分補給と同時に、エアコンを利用して室温を快適に保ち、汗の量をコントロールすることも大切です。
もし、飲み物が飲めずに、尿の量が普段の半分くらいに減っているようであれば、受診が必要です。すぐに医療機関へ相談するようにしてください。
家族の感染対策について
東京都福祉保健局が配布している「自宅療養者向けハンドブック」では、家庭内感染を防ぐために気を付けるべき8つのポイントが紹介されています。
- 部屋を分けましょう
- 感染者の世話をする人は、できるだけ限られた方にしましょう
- 感染者・同居者は、どちらも正しくマスクをつけましょう
- 感染者・同居者は、こまめに手を洗いましょう
- こまめに換気をしましょう
- 手がよく触れる共用部分をそうじ・消毒しましょう
- 汚れたリネン、衣服を洗濯しましょう
- ゴミは密閉して捨てましょう
上記以外にも、小さな子どもをケアをする場合に重要なポイントを解説します。
マスクの着用
子どもの看病をする場合、世話をする家族は可能な限りマスクを着用しましょう。
症状が出てから10日間、または症状が治まってから3日間、どちらかのうち長い期間が経過したら外してかまいません。
ただし、2歳未満のマスクの着用は推奨されていません。また、未就学児がマスクを着用する場合は、大人が子どもの体調を十分に注意した上で着用しましょう。[2]
排泄物やゴミの処理
新型コロナウイルスは便にも排出されますので、おむつの取り扱いにも注意が必要です。
おむつ交換の際には、使い捨てのおむつ交換シートを使用するか、交換後の清掃を徹底するようにしましょう。
おむつを捨てる際にはビニール袋で密閉し、さらにもう1枚のビニール袋で2重に密閉してから捨ててください。
なお、使用済みマスクや鼻をかんだティッシュなどの処理も同様です。おむつやゴミを処理した後は、必ず石鹸で手を洗います。
子どもがトイレで用を足せる場合は、蓋を閉めてから水を流します。トイレを使った後は家庭用の洗剤で掃除をし、子どもと一緒に手洗いしましょう。
食器の取り扱い
食事の際に使う食器は、紙皿など使い捨てのものを利用するのがベストです。使い終わった紙皿はビニール袋に入れ、口を縛って捨ててください。
使い捨ての食器が使用できない場合でも、通常の食器用洗剤でしっかり洗えば、感染者のものと分けて洗う必要はありません。
気になる場合は、0.05%に希釈した次亜塩素酸ナトリウムに10 分ほど浸け置きし、通常通り洗剤で洗うと安心です。
食器を洗った後は、手洗いも忘れないようにしましょう。
歯磨きやお風呂
歯磨きの際には、歯磨き粉の共有を避けるようにしましょう。
ほかにも、洗顔や入浴の際に使用するタオルの使いまわしは避け、家族それぞれ別のタオルを使用するようにしてください。
看病の仕方
体を拭いたり、排泄物の処理をしたりする際には、マスクだけでなく、使い捨てのエプロンや手袋を使うとさらに安心です。最後に石鹸で洗うことを習慣づけてください。
子どもを抱っこする場合や、寝かしつけで添い寝をする場合なども、マスクと使い捨てエプロン・手袋を使ったほうがいいでしょう。
また、部屋の中でも常時マスクやエプロンを着用するため、熱中症に注意してください。部屋の温度に配慮し、暑い日は冷房を使用することがおすすめです。
「子どもがコロナになったらどうしよう」 不安が少しでもあれば ファストドクターのアプリをダウンロードして備えておきましょう。
アプリを入れておけば
- すぐにオンライン診療・往診の依頼ができる
- 電話よりも優先的に繋がる
などのメリットがあります。
症状が出たあとでは慌ててしまうので、 事前にアプリをダウンロードして事前登録まで済ませておくのがおすすめです。
コロナ以外の感染症にも要注意
現在は、新型コロナウイルス感染症だけでなく、インフルエンザや胃腸炎、アデノウイルスと診断される子どもも相次いでいます。
小児医療が著しくひっ迫しており、受診が困難な地域も出ているほどです。
新型コロナ以外の感染症流行情報にも気を配り、予防に努めることが重要です。
手洗いうがいの徹底や、感染リスクの高い行動は控えるなど、普段の行動にも改めて気を配りましょう。
「子どもがコロナになったかも」
鼻水や熱、咳など気になる症状が少しでもあるなら、ファストドクターのオンライン診療で医師に相談しませんか? 24時間365日自宅にいながら受診することができます。
もちろん、保険証や医療証も使えます。 処方された薬は、お近くの薬局や宅配で受け取り可能です。
- 名倉 義人救急科専門医
・平成21年 名古屋市立大学医学部卒業後、研修先の春日井市民病院で救急医療に従事 ・平成23年 東京女子医科大学病院 救急救命センターにて4年間勤務し専門医を取得 ・平成27年 東戸塚記念病院で整形外科として勤務 ・令和元年 新宿ホームクリニック開院
日本救急医学会、日本整形外科学会