ノミ刺咬症の特徴・症状と治療法について【医師監修】

公開日: 2024/02/05 更新日: 2024/02/05
このページでは、ノミ刺咬症の症状や治療法、今すぐ医師に相談したい場合の方法についてお伝えしています。

ノミ刺咬症について

ノミ刺咬症の特徴・症状

ノミ刺咬症の特徴

ノミ類というのは、羽がないノミ目に属している昆虫で、鳥類や哺乳類から雌も雄も血を吸います。

ノミ類は、日本においては70種類、世界においては2000種類がいるそうです。

人の血を吸うノミとしては、ヒトノミ、ネコノミ、イヌノミ、スズメトリノミ、ヤマトネズミノミなどがありますが、近年のノミ刺症のほとんどの要因はネコノミです。

ネコノミは、雌が2mm~3mm、雄が1mm~2mmの体長です。

ネコノミは、10日間~20日間猫の宿主の毛の間で過ごして、この間に卵を産みます。

この卵は、猫の寝ぐらのあたりに落ちて、数日後に卵がかえります。

成虫になったネコノミは、猫や犬などに寄生して散歩している際などに、人のズボンなどに付いて家の中に侵入します。

ネコノミは、強い跳躍力があり、約20cm~30cm飛ぶことができると言われています。

そのため、特に、ノミ刺咬症は足首から下腿に多く現れます。

しかし、ネコノミが部屋の中に発生していると、下肢以外に、体幹部や腕にもノミ刺咬症が現れる場合があります。

ノミ刺症は、アレルギー反応がノミの唾液に対して起きることで生じるため、時系列やステージによって非常に反応が違ってきます。

つまり、初めて刺されると反応が無く、遅延反応を何回か刺されると生じます。

次に、遅延反応と即時反応が生じるようになって、そのうちに即時反応だけになり、最終的に免疫ができて反応が無くなります。

そのため、個人によって反応は非常に違っており、ノミ刺症の症状が現れるのは猫を飼った経験がない、猫が好きでないというような人になります。

一方、猫を長年飼っており、非常に猫が好きな人の場合は、免疫がネコノミに対してできているため、反応が無くなります。

ノミ刺咬症の症状

ノミ刺咬症の症状としては、遅延反応がメインで、浸潤性紅斑紅色丘疹、刺点中心から数mm~数cmの紅斑、水疱などです。

ネコノミの場合は、大きな1cm以上の直径の水疱ができる場合もよくあります。

色素沈着が約1週間くらいで起きて治りますが、何度も刺されると皮疹が新旧入り混じって現れます。

また、膿痂疹に引っ掻くことによってなったりする場合もあります。

スナノミが中南米やアフリカではいるため、サンダルや裸足などで歩くと寄生される場合があるので注意しましょう。

複数匹足趾に寄生して、二次感染によって蜂窩織炎や丹毒が一緒に発症したりします。

ノミ刺咬症の診断と検査症状

ノミに刺された場合は、何日間もひどい痒みが継続します。

また、水ぶくれになったり、赤く腫れたりする場合も多く、刺された箇所には目で分かるような噛み跡があります。

そして、ノミが刺すのは1箇所だけでなく、付近を刺す場合が多いため、近くに噛み跡が集まっている場合もあります。

大豆くらい丘疹や斑点が、ひどい場合はサクランボくらいになる場合もあります。

ノミに刺されて1日~2日経ってから強い痒みが現れる場合もあるため、赤い斑点が現れてからノミ刺咬症であることが分かることもあります。

ノミ刺咬症の治療法症状

ノミ刺咬症を治療する方法としては、次にご紹介するようなものがあります。

  • 薬を皮膚科で処方してもらう

ノミに刺された際は、かゆみの症状は市販されている蚊などの薬では治まりません。

ノミ用として皮膚科で処方してくれる塗り薬や飲み薬はすぐに効果が期待できるため、跡が残らないように皮膚科を迷わないで受診しましょう。

  • 患部を応急的に冷やす

皮膚科をすぐに受診できなかったり、割合症状が軽かったりする場合は、患部を保冷剤などを使って冷やせば、少しかゆみを軽くすることができます。

跡が残らないようにするには、刺された際は応急的にすぐに処置することも大切です。

一般的に、抗ヒスタミンがかゆみが虫刺されによってあると使われ、ステロイドが炎症があると使われています。

ノミのかゆみに対しては、市販薬の塗り薬があるようですが、市販薬の場合は限界が含まれている成分量にあります。

そのため、市販薬は、重い症状の場合は効果が期待できない場合が多くあるようです。

強めの薬を皮膚科で処方してもらって、短い期間で跡が残らないよう十分に治すことが大切です。

副作用も強めのステロイドはありますが、短い期間虫刺されなどのために使うのはそれほど問題ないそうです。

ノミ刺咬症の予防

ノミ刺咬症を予防する方法としては、殺虫剤が含まれている首輪を猫につけたり、殺虫剤を猫に撒いたりするものなどがあります。

しかし、燻煙型殺虫剤を猫が生活している家の中でも使用しないと駆除することはできません。

猫に定期的に昆虫発育阻止剤を飲ませる方法もあります。

しかし、猫による被害としては、野良猫による方が飼い猫によるよりもはるかに多くなっています。

野良猫は、子猫を生んだり、よく庭に入ってくるなどの場合があります。

このような場合は、ネコノミを駆除することも難しくなるため注意しましょう。

記事監修
  • 名倉 義人
    救急科専門医

    ・平成21年 名古屋市立大学医学部卒業後、研修先の春日井市民病院で救急医療に従事 ・平成23年 東京女子医科大学病院 救急救命センターにて4年間勤務し専門医を取得 ・平成27年 東戸塚記念病院で整形外科として勤務 ・令和元年 新宿ホームクリニック開院

    日本救急医学会、日本整形外科学会

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